2ペンスの希望

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天地真理ではないけれど‥

昔々 天地真理がこんな歌を歌っていた。
♪ ひとりじゃないって〜 すてきなことね〜
【1972年5月リリース『ひとりじゃないの』作詞:小谷夏 作曲:森田公一

表現(芸術)であり、技術であり、産業である映画は、
かつては大勢の人間がかかわってつくられることが当たり前だった。
最近は、機材(主には撮影・編集機材)の進化とコストの制約などから、単独行も増えている。これは善し悪しだ。(駄目だといっているんじゃない。善い点があれば、悪い点もあることに自覚的であって欲しい、ということだ。)
経験に則して具体的に述べる。
例えば、ドキュメンタリーの撮影現場。対象となる人物・当該の事象にカメラを向けていると、当然のことながら、ファインダーの中にしか目が行かなくなる。意識はファインダーの中に集中する。また、集中しなければ力のある画は撮れない。結果、周りが見えなくなる。カメラの横や後ろで何が起きているのか、分からなくなる。もっと重大なことが起きているかもしれない。或いは、些細なことだが気になることが発見されるかもしれない。独りで作っていると、このふくらみ・可能性がなくなる。作り手が見たこと、見えた以上のものが生まれにくくなる。チームで作る(徒党を組む)とそれが掛け算的に膨らむ。等比級数的に豊かになる。
もっとも煩わしさも同様に増えるのだが‥。それでも差引勘定すれば、単独行よりはるかに充実した成果がもたらされる、可能性は格段に大きくなる と断言できる。

♪ ひとりじゃないって〜 すてきなことね〜

つい今しがた知ったのだが、この歌の作詞・小谷夏は、TVの演出家・久世光彦さんが歌謡曲の歌詞を書く時のペンネームだったそうだ。
そう云えば、天地真理(アマチ・マリ)という芸名も、テンチ・シンリとも読める。何やら意味深に見えてくる。
世の中には知らないことが山ほどあるものだ。

オマケはコレ。