2ペンスの希望

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「頭のいい不良が‥」

現場を踏まえた人の言葉にはリアリティと説得力がある。斉藤光正監督。1932年生まれ、2012年11月25日没。日活で今村昌平に付き、早くにテレビに移り、青春ドラマ、現代劇、時代劇と何でもこなした。映画史に名を残すような名作監督ではない。TVシリーズもの、プログラムピクチャーをこなす職人監督だった。なかでもドラマ『俺たちの旅』シリーズ【1975年10月〜1976年10月ユニオン映画製作・日本テレビ系列放送】などは毎週楽しみで夢中になって見ていた。
弟子や関係者による追悼文を読む機会があった。【日本映画監督協会会報「映画監督」No.672】中で、印象に残った斎藤監督の言葉幾つか。
映像はユーモアとプレイの精神だ」「カミソリのようなきっかけ」「時間と空間を一瞬に把握できない助監督はすぐ辞めろ」「映像の運動神経を鍛えなさい」「俺たちは文化人じゃない。世界の苦悩は評論家に任せろ」「テレビは音だ、三秒の素(=無音:引用者 註)が限界だ
そして、「この業界は真面目な馬鹿は務まらない。頭のいい不良が生き残る