2ペンスの希望

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美人投票

知らなかった。
経済と語学はさっぱりなので知らなくて当たり前なのだが、かのケインズ博士に株式投資の「美人投票」理論という超有名な基礎理論があるという話だ。つい最近聞いた。
ジョン・メイナード・ケインズ1936年『雇用・利子及び貨幣の一般理論』第12章第5節。ケインズは、100枚の写真の中から美人だと思うものを6枚選び、上位を選んだものには商品が出るという新聞投票を例にあげた。そこでは、投票者は自分が美人だと思う者にではなく、周りが美人であると判断するであろう者に投票しなければ勝てない、というわけだ。つまりは、投票者(=市場参加者)の多くが、容貌が美しいであろう(=値上がりするであろう)と判断する写真(=銘柄)を選ぶことが有効な投資方法だということになる。ケインズはこの理論で大儲けした、とも聞いた。
ありうる話だが、いただけない。どこかスッキリしない。万人好みを良しとせよ、であり、自らの美意識を第一義に置くな、という考えだからだ。イマドキの言葉で言えば、空気を読め、時代を読め、コンテキストを考えろ、ということなのだろうが‥。やなこった。
自らの主観において美しいと思ったものをこそ美しいとしたい。
ヨコをみて、憶測したりかんぐったり‥というのはしたくない。はしたない。
もっとも、だからいつまでたっても貧乏なのだ、と揶揄されるのだろう。けど、宗旨替えはしない。