2ペンスの希望

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リトル・ピープル

宇野常寛さんの『リトル・ピープルの時代』を読んだ【2011年7月30日幻冬舎刊】

村上春樹仮面ライダーオタク文化を題材に、冷戦時代とその後の世界の構造変化をグローバリゼーションと(貨幣と情報の)ネットワークで読み解く手際は、イカニモ今様。
ビッグ・ブラザーの時代〈理想の時代/夢の時代〉からその解体期〈虚構=仮想現実の時代〉を経て今はリトル・ピープルの時代〈拡張現実の時代〉なのだ、という論旨の解り易さ。達者なものだ。〈デタッチメント(かかわりのなさ)〉から〈コミットメント(かかわり)〉へ‥というテーゼもアジテーションとして有効だ。
成る程、リトル・ピープルね。
とはいえ、リトル・ピープルと聞いて思い浮かべたのは、アニメ『ちいさなおじさん』と
『こびとずかん』だった。本旨とは何のかかわりも無い。管理人の妄想にすぎない。


いずれも、キモカワイイ、と、管理人のまわりの若い衆には結構人気がある。関連グッズやキャラクターを愛用するのも見かける。
誰ですか、「これでは、あまりにストレートすぎる、ヒネリもなし、悪い冗談だろう」なんて文句を言ってるのは。
宇野常寛さんはくだんの本の中でこう述べている。
「冗談のように聞こえない批評には何の力もない」