2ペンスの希望

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営業部長!?

西川美和「名作はいつもアイマイ」の後書き「もう夢は見ないけれど」にこんな一節があった。なぜオリジナル脚本にこだわるかを語ったくだり。
映画監督なんていったって、マリンキャップの黒眼鏡で、フレームに入ってしまった民家をどかしてしまえと言い放てるような時代は終わったのだ。…(中略)…プロデューサーにヘコヘコ、スタッフにヘコヘコ、役者にすりすり、マスコミにへらへら、お客にでれでれ、「映画監督」といういかめしい肩書よりも、「営業部長」といわれた方がしっくり来る。あの長い長いエンドロールに連(つら)なる面々を、監督は顎で使うものだと思っていた私はほんとうのバカだった。この上「原作者」なんて厄介な人間 が現れたら、もう頸椎がやられちゃう。真っ平だ。どこも人員削減の時代だ。セルフサービスの時代だ。だからずっとオリジナルで行くんだ。オリジナルか、死かだ。
おっしゃること分からぬでもない。きっと才人なのだろう。けれども、やはり舌足らずで、ついていけない。どこかズレている。ステレオタイプを勝手に挙げての無理からの展開、とどのつまり何が言いたいのか…アイマイなまま投げ出すのが今風なのかもしれないが、責任回避にもみえてくる。 これってロートルゆえの歳のせい?