2ペンスの希望

映画言論活動中です

答え合わせ卒業

皆さん答え合わせが大変お好きなようだ。
監督さんの意図は?狙いは?描きたかったものは?伝えたかったメッセージは‥‥?演出意図や作者の意思・思惑ばかりに目を凝らす。○をもらいたがり、×をつけたがる。解釈しようとしたり、埋め込まれたイコン・アイコン探しにご執心。 もっと虚心になって 映画に向き合えばいいのに、目の前に映っているものの情動に身を委ねてみればいいのに。いい加減 答え合わせから卒業してもよかろう。作り手に擦り寄るのでも突き放すのでもなく、素直に素朴に、いいものはいい、気持ち悪いものは気持ち悪いと、感じたままに、受けとめればいい。 映画は、作り手の思惑なんか簡単にはみ出して暴走する〈不純な複合物〉なのだから。ここだけのはなし、作り手だって100%制御できるなんて思っちゃいない。半分は自信を持ちながら残り半分は不安のままにリリースしているのだから。だから、受け手は自分の感受性をそのまま信じればいい。
それが、映画の可能性を広げる。答え合わせは学校でしか通用しない。