2ペンスの希望

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確信犯の産物

それにしても、死屍累々、討ち死につぐ討ち死に‥えっ何のことかって? 昨日に続く
内藤本『円山町瀬戸際日記』2006年編の話。
山口百恵特集。「女優・山口百恵1973−1980]主演作だけでなく出演作全18本一挙ラインナップ。続いて「鈴木清順 48本勝負」って、そりゃぁあんた、無理、無茶、無謀、箆棒ちゅうもんでっせ。案の定「興行成績は散々だった」と書いてある。百恵ちゃんならまだしも、今どき清順+真理アンヌなんて覚えてる人は少ない、若い衆は知りもしない。それでもやっちゃう内藤さんの凄さ。脱帽しながら心配してしまう
「百恵特集不入りの原因は、おそらく、いわゆる典型的な名画座のお客さんが「映画館で百恵映画をあえて観てみたいとは思えない」と考えたからだと思う。一般的な百恵ファンは大勢いるものの、この人たちの大半はDVDボックスセットなどを持っていようから、別段映画館に行く必要はないと思っているのだろう。」という冷静な分析もあれば、「清順師と真理アンヌ嬢のトークショー轟夕起夫氏司会)も客席が半分埋まる程度。‥‥せっかくのご登場にもかかわらず、満席でお迎えできなかったことには忸怩たる思いである。」とのファン気質丸出しの述懐もあった。
20世紀オッサン世代カルチャー体験ロマンチシズムと21世紀現代リアリズムの落差。
特集主義の名画座経営は、「道徳的、宗教的、あるいは政治的な信念に基づいてなされる」確信犯の産物。 最早 それ以外の何物でもなさそうだ。