2ペンスの希望

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映画史更新

「観る手段や方法」がこれだけ多様化しているのに、この数十年新しい「映画史」は登場していない。畏れ多いのか、手に余るのか、商売にならないのか、誰も手を出さない。
もっとも、この数十年新しい映画が登場していない、歴史に記すべき映画は見当たらない、ということの裏返し、証左なのかもしれないが‥。それならそれでいいのだが、そのことも踏まえた新しいテキストが編まれるべきだろう。
これだけわんさか大学や専門学校で映画を教えたり学んだりする場や先生・生徒が増えたのに、個別各論や技術論、業界就職予備校・職業訓練校みたいな講座しか見当たらない。せいぜいが古代史・近世史どまりで、現代史についての言及は乏しい。
レンタルの登場、映画を所有することの常態化、DVD、Blu-ray等のパッケージメディアで私的に何度でも繰り返し見られる環境の整備、BS、CS等映画専門放送の普及、
オン・デマンド、パブリックドメイン映画をはじめとする夥しい量の映画のYouTube等へのアップロードなどなどを繰り込んだ映画史の更新、誰か本気でやらないだろうか。
拙管理人が若かりし若かりし十代二十代の頃の映画史本を飾った歴史的名画「究極の教科書=古典・スタンダード映画」の賞味期限(切れ)という問題も射程に入れ、次なる世代の耳にも届き、血となり(知となり)肉となる映画史の記述は、年長組ロートル世代の責務ではなかろうか。昔は良かったとしょんぼりしたり、俺たちの時代は凄かったと
エラソーにふんぞり返っている場合ではない。