2ペンスの希望

映画言論活動中です

岡田さんの本をテキストに3

引き続き岡田本をテキストに。
1)
岡田さんは「フィルムセンターの事業を説明する際にしばしば不遜にも「国立国会図書館の映画版」という言い方をしてしまう。」と書いている。「実は、法的には国立国会図書館法の第24条が映画フィルムの国立国会図書館への納入を定めているのだが、その附則によって「当分の間」その納入を免ずるという状態が現在まで続いている。」とも。国立国会図書館法が1948年(S23)2月で附則が翌1949年7月成立だから⇒法律で「義務」付けられながらずっと「免除」、今に至るまで延々放置され、そのうちにアナログからデジタル:VHSからDVD,B-ray‥へと変わって、銀塩フィルムは表舞台から姿を消しつつある、という仕儀・始末である。
2)
収集・整理・保存・活用」これが、フィルムアーカイブの四つの仕事。
収集」には、発掘・復元が含まれる。「活用」は公開・上映には限らない。誰でも何時でも自由に検索アクセス出来て(オープンに)〈開かれている〉ということだろう。膨大な手間暇・ベラボーなコストがかかる、夢のようにファンタスティックな営為だ。
3)
NPO法人映画保存協会(FPS)の石原香絵さんとの対談で「全国映画資料館録2015」のことが話題になっていた。札幌の「北の映像ミュージアム」から九州まで50の施設が採り上げられている。

ちなみにその前2010年版では32館だったそうだから5年で18館が誕生したようだ。
慶賀の至りだが、危機感の切迫でもあろう。息切れせずの長き継続を切に願う。
4)
昨日読んだ中で、一番印象に残った一節はコレ。
記憶は例外なく物質の中に収められる
(対談の中で、石原さんも言っている。「デジタル化はアクセス提供の可能性を広げますが、‥‥本当に重要なのは現物保存。」 と。)