2ペンスの希望

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「眼も鼻もない時代をこえて‥是から」

ブログは、日記兼備忘録。それ以上でもそれ以下でもない。
と云うわけで、今日も日記兼備忘録。
昨日、久しぶりに封切り初日に映画館に出掛けた。大阪梅田の地下映画館。週末初日の三回目の上映、96席のほぼ六割が埋まっていた。まずまずなのかイマイチなのか、浦島太郎にはよく分からない。けれど、いつも利用する映画館よりは年齢層が若かった。二十代三十代の男女ひとり客を中心に、年配カップルがちらほら、拙管理人クラスの高齢者も少々‥という塩梅。
映画は良く出来ていて満足した。
数日前から読んでいる長谷川郁夫さんの本『編集者 漱石』に、明治三十九年十月十日漱石が英文科の教え子若杉三郎に宛てた手紙が載っている。
明治の文学は是からである。今迄は眼も鼻もない時代である。是から若い人が大学から輩出して明治の文学を大成するのである。頗る前途洋々たる時機である。僕も幸に此愉快な時機に生まれたのだからして死ぬ迄後進諸君の為めに大なる舞台の下ごしらえをして働きたい。」【長谷川郁夫『編集者 漱石』163頁上段 新潮社 2018年6月30日 刊】
長谷川さんは「漱石サロンのマニュフェストだったのではないか」と記す。
明治の文学」を「現代の映画」に置き換えて読んでみたい‥と夢想した。