故ナンシー関が好きだった。その加減か、弟子筋の小田嶋隆さんの「日経ビジネスオンライン」の連載コラム「 小田嶋隆の『ア・ピース・オブ・警句 』 〜世間に転がる意味不明」を愛読している。2018年8月31日の記事から。
或る人が、或る席で(さして上手くもない)ピアノ演奏を披露したときの会話。
小田嶋「弾きたいのなら好きに弾けばいいじゃない」
知人の(音楽)専門家「それは違うよオダジマくん。
楽器を弾くということは、その楽器の名誉を引き受けること。
どんな楽器であれ、ある程度練習してその楽器のことがわかってくれば
自分が人前で演奏して良い腕前かどうかは、おのずとわかってくる。」
小田嶋「というと?」
専門家「楽器を弾く人間にとって一番重要なのは、他人が聴いてウマいとかヘタ だとかじゃなくて、自分が自分の演奏を正当に評価できているのかどうか だっていうこと。そういう意味で、あの得意満面な演奏は、自分の技倆を 自覚できていないという意味で、最悪」
「楽器」を「映画」に読み換えたくなった。