2ペンスの希望

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コマワリ

マンガは長く読んできた。その魅力は「描線」と「コマ割り」に尽きる、そう思って今に至る。(ちなみにシンガーの魅力は「声」であり、絵画のそれは「色と光」だとも‥‥)

こんな本が目についたので読んでみた。深谷陽/東京ネームタンク 著『もっと魅せる・面白くする魂に響く漫画コマワリ教室』【2019年2月 ソーテック社 刊】

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外野の単なるマンガ読み一ファン(わてのことだす)から見ても、具体的・実践的で参考になりそうな良質なテキスト本だった。(良いのか悪いのかは俄かに判断できないが、元気でお金の集まる"業界"には、こんな懇切丁寧手取り足取りな指南書が出版されたりもするのだろう。)

そういえば、少し前に「トキワ荘プロジェクト」を知った。

tokiwa-so.netHPには「本気でプロの漫画家を目指す若者に東京近郊に活動拠点となる住居(シェアハウス)を提供するプロジェクト」「2006年8月から活動をスタートし、これまでに400名以上が入居し、80名以上が入居後にプロデビュー」とあった。新手の貸し部屋ビジネスモデル―そう言ってしまえばそれまでだが、寡聞にして映画"業界"周辺では聞いたことがない。(関西出身の映画志望の若者たちが大学卒業後仕事を求めて東京移住。アパートで共同生活をしてる、という話は聞いたことがある。)リタイヤした映画人たちの老人ホームなんてのもあったような気もするが‥嗚呼、複雑。情けなくもあり、情け有りとも感じる。複雑骨折のまま時代は動いていく、ということか。