ひねくれ者同士のよしみで日経ビジネスオンラインの連載コラム『小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」~世間に転がる意味不明』を無料覗き見している。そこで最近、「排除アート」を知った。何年も前から物議を醸してることもはじめて知った。
「「排除アート」と呼ばれる不定形のモニュメント(←床面を尖った凹凸で埋めることで、その場所で寝られないようにするための無意味なアート作品)が配置されているため、その場所に滞在することは不可能になっている。」(小田嶋コラム〈2021.3.12 汚れてしまった「絆」という日本語〉から引用)
要するに、ホームレス排除、ブルーシート・段ボール製手作り住居撤去浄化作戦だ。
ご丁寧に、斜めにカットされ、交互に設置されているために、座ることも、寝ることもできなくなっている。
一年ほど前に書いた いじわるベンチ - 2ペンスの希望 を思い出した。
昔 関わった映画でインタビューした社会起業家のことも‥。
「ホームレスが居なくなる社会より、ホームレスに優しい社会をこそ目指したい!」深く深く同意した。
時代も社会もどんどん息苦しく不寛容になっていく。そのために「アート」が大義名分に使われる なんて 醜悪の極み。なんたる悲惨。
あの世の岡本太郎から「怒りの鉄拳」が飛んできても知らないゾ。
(言わずもがなの附記:近代機能主義一辺倒を批判し、"座るな"ではなく、"座れるものなら座ってみろ"と反語的挑発を試みた岡本太郎と、"排除"という機能を担わされた造形は、真逆のベクトル180度違う。)
アートの劣化に気づいた頃に、アートのまつりとすましているのでは、いやはやなんとも情けない。