2ペンスの希望

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カセットメタルテープ

昭和のカセットメタルテープの高品質が見直されていると聞いた。

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 アナログの極みvsデジタル。

軍配をアナログに挙げる人が増えているというのだ。

カセットテープ、とりわけ高品質なメタルテープは、低音域も高音域もノイズまで完全に記録、つまりは現場の自然音を丸ごと録音コピーし再現できるということだ。音に立体感があると専門家は指摘する。音があたたかい、音が太い、という人もある。

一方で、デジタルの場合は、どれだけ精細に分けようとも、波長をどこかでオンオフに変えて直線化するため、アナログの波形曲線をそのままに記録しないという。クリアな音質を追求するため、可聴域を超えた高音域低音域は切り捨てられ、ノイズもカットされてしまう。つまりは加工された音だということになる。

映画の世界でも同様かもしれない。

調べたり確かめた訳ではないのでいい加減な推察だが、銀塩フィルムやVHS磁性体テープまでのアナログ時代は、丸ごと記録だったものが、SDカード、メモリーチップ のデジタルの高画質は、ノイズカットのクリアー品質ながら加工度合いが自然界とは異なる仕様になって

いるのかも。だからどうだとも云えないし、今更時代は戻れないだろうが、憶えておいていい一つだろうと書いてみた。

(少し前だが、「神戸映画資料館」の映写室で、35mmフィルムと16mm、民生用VHSと放送用βカム、DVDとブルーレイを全部比較上映したことがあった。好き嫌い、好みもあろうが、DVDに比べVHSの音が柔らかく耳のこりが良かったことを思い出す。)