2ペンスの希望

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再々論 映画は映画

映画が生まれて百数十年になるというのに、いまだに「映画は娯楽なのか、芸術なのか」という不毛(としか思えないよう)なやり取りが後を絶たない。先日も公共放送で いい歳のアナウンサーが、いい歳の映画監督に質問して、困らせていた。苦笑しながら監督はやんわりとこう返した。「若い頃は悩んだことも否定しませんが‥もう 止めました。小津安二郎は芸術なのか娯楽なのかと問うのもナンセンスで、あまりそこに区別をつけるのは意味がないとよーくわかったので」そうだよなぁ、イマドキよく言うよ。誰だってそう思うよな。なのに、娯楽なのか芸術なのか、作品なのか商品なにか、フィクションなのかノンフィクションなのか、ドラマなのかドキュメンタリーなのか、実話なのかつくりものなのか、がともすれば話題にのぼる。どうしたことか。どうしたもんか。背景には、優劣評価、上下意識が抜きがたくあるのを感じる。

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再々 書いてきたけれど、映画は娯楽であり同時に芸術でもある。作品であり同時に紛れなく商品でもある。つまりは、映画は映画である。(なんだ、同義反復トートロジーじゃないか、という人も居るだろうが‥、詳述はしない。)

面白い映画とそれほどでもない映画、良く出来た映画とあまり感心できない映画があるだけのことだ。