モフセン・マフマルバフ:Mohsen Makhmalbaf はイランの監督。政治的・社会的な問題を描くものと、詩的な映画、哲学的な映画、二つの系統の映画をつくってきた。
2005 Kandahar
2012 The Gardener
ご本人と息子メイサンが互いにカメラを持ち、思い思いに〈世界〉を切り取り語らってゆく構成、さらにその二人を俯瞰する第三の視点がとられる物語的ドキュメンタリーみたい。未見だが唆られる。
映画学校「マフマルバフ・フィルムハウス」を主宰し、息子だけでなく妻や長女・次女もそれぞれ映画監督として活動する映画一家だ。
「映画の役割は、誰も気がついていないものをみなに見せること、みなが忘れてしまっていることをもう一度思い出させることだと思います。みながすでに見たり、話したりしていることを描くのは映画ではありませんし、つくる意味もないと思います。」と、金子遊さんのインタビューに応えている。【2020年4月『ワールドシネマ入門』コトニ社 刊 】