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古川洽次『俳句と電報と』

今日は備忘録。永らく企業人として生きてきた古川洽次の本『俳句と電報と Haiku and Telegrams - and More』【2021年2月22日 かまくら春秋社 刊】を読み始めてる。

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巻頭「発刊に寄せて」に 夏井いつき「電報文学を深める」が載っている。

俳句も電報もどちらも短文です。伝達と表現でこれだけ違いが見えるのは面白いことです。学校の国語では正確に伝達して読み取るのが説明文、表現として膨らませて言葉を楽しむのが小説や詩歌だと教えていました。子どもたちには両方の知識を育てていかなければなりません。「電報文学」をもっと深めたら面白いと思います。

なかに面白い写真を見つけた。「和文通話表」もっとも今の若い衆は電報も知らずチンプンカンプンかも。

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昭和25年(1950) 電波監理委員会規則7 赤囲みは、のち 昭和36年(1951)に変更され切り替わった表記。 他にも、ワ行の ヰ ヱ ヲ などが載っている。ちなみに
 オ 才(さい)のオ → 大阪のオ 
ク 車のク → クラブのク 
ト 富山のト → 東京のト 
ミ 蜜柑のミ → 三笠のミ 
二 数字のふた → 数字のに

夏井先生は、テレビで良く「経済効率」「コスパの良い言葉づかい」を推奨している。李御寧(イ・オリョン)の『「縮み」志向の日本人』【1982年 学生社 刊】を引くまでもなく、日本人は「小さきもの」に惹かれてきた。たたむ・よせる・つめる・けずる‥‥。盆栽も箱庭も、ジオラマもフィギュアも。そして、"Twitter"もまたその現代版なのかも。当管理人は、何でもかんでも省略・短文化する風潮には与しないが、 「伝達」と「表現」を掛け算した新しい味わい、「説明」と「描写」が溶け合って生まれる相乗効果を否定するものではない。