2ペンスの希望

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ホープ 死語

最近読んだ、或る小説にこんなくだりがあった。「若い頃、映画の世界でホープと称され注目されて、‥」 ホープ?  最近とんと聞かなくなった言葉だよな。昔は良く使われながら、最近では誰も口にしなくなった言葉を「死語」ということはロートル管理人も知っている。若い男女をアベックといって笑われたり、「それなんですか?」と真顔で訊かれたこともある。「フル―」「サブ―」と言われたことも。(←これだって十分死語だろう)

この言葉を書いた女流小説家はウイキに拠れば1971年生まれとあったので、そこそこの御歳だ。さして深くは考えることなく使ったのだろう。けど、映画過敏症の管理人は、引っ掛かってしまった。

ホープ」「期待の新人」「ルーキー」映画世界ではどれもご無沙汰の用語だ。

映画界そのものが消失、風前の灯火で、とても「希望」「期待」なんて持てる状況じゃなくなってしまったってことか。隅っこの裏通りでほそぼそと小商いを続ける現状に「ホープ」という言葉は浮かばない。似合わない。麒麟児・有望株・注目株なんてのは、日が当たり勢いのある業界あってこその言葉だろう。そう思ったら、ちょっぴりおセンチになってしまった。何、「おセンチ」が分からないって。こりゃまた失礼いたしましたっ!

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