実況アナウンサーもまた戦っている。ちょっと前に、オリンピック中継ならではの特別編成枠=「JC:ジャパンコンソーシアム」という混成チームによる放送枠割り当て方式 について書いた。NHKを中心に民放各局選りすぐりのアナウンサーがしゃべりの技を競う。
彼らにとっても一世一代の大舞台なのだ。競技についての知識ゼロの人(管理人のことだ)、普段あまりスポーツを見ない人(これも管理人のことだ)に、どう伝えるか、モロに「人格(哲学・倫理)」が露出し、「表現力(美学)」が問われる。
何を隠そう、TV観戦に備えて何だかなァ~と思いながらもいそいそとガイドブックを準備した。Sports Graphic Number がほぼ日と組んで出した本。
いかにも の「ほぼ日商法」だが、中に「五輪実況アナの勝負勘と哲学にまつわる座談会」が載っている。印象に残った発言を幾つか拾ってみる。
局を代表する選手なので、歴代事前の中継資料が山ほど準備され、しっかり練習するのだが、中には彗星のごとく現れ、まったく情報のない選手が活躍することもある。そんな時は、
「正しいと思われる言葉でなくても、見ている側の思いと一致する言葉の方が心に残る」(テレ朝進藤アナ)
「余計なことは言わない」(テレ朝進藤アナ)
「汚してはけない」(TBS初田アナ)
「練習や試合を見続けることでしか養えない感覚は、スポーツアナウンサーの命だと思う。それがない人は面白くない」(元NHK刈谷アナ)
「捨てる勇気」(テレ朝進藤アナ) ‥‥