2021年８月７日 漫画家 みなもと太郎さんが亡くなった。その後逝った ジェリー藤尾さんより、笑福亭仁鶴さんより悲しい。
優れた実作者であり、半端なきコレクターであり、熱いファンであり、そして何より、深くてこわい批評家である。紛れなき本物の一級品。
『ホモホモ７』はじめ『冗談新選組』『風雲児たち』から『漫画の名セリフ お楽しみはこれもなのじゃ』などなど、どれもこれも舐めるように読んできた。膨大な著作の中で、この一冊ということなら迷わずに『まんが学特講 目からウロコの戦後漫画史 』（2010年7月14日 角川学芸出版 刊）を挙げる。
みなもと太郎を講師に、受講生 大塚英志らが訊く戦前戦後の日本の漫画史。「手塚神話・トキワ荘伝説・24年組史観」に収まらない逸話が山ほど語られる。そのどれもこれもが刺激的。日本の映画を学ぼうという若い衆や、これから日本で映画を作っていこうとする人にとっても貴重なヒントが満載だ。騙されたと思って是非目を通してみてほしい。結構高価だし、ちょっと古いし、さほど売れた本でもないので入手は易しくないが、少し大きめの公立図書館には蔵書していることが多い。当たってみて損はない。
ちなみに、当管理人は、2016年のブログに何度か書いている。ソチラを先に読んで貰える、とさらに有り難い。
