大坂の美術館で『鷹野隆大|毎日写真1999ー2021』を観てきた。
「写真は流れないから強くていいな」と思った。
その時のそこが凝結・凝固して動かない。
止まっているから、腐らない。古びない。うらやましい。
会場の展示リストにこんなコメントが載っている。
「毎日撮るから「毎日写真」。それ以外に特段のテーマはない。むしろテーマやコンセプトといったものから離れて、無目的に撮ってみたいと思っていた。そしてそれが集まったときに何が見えてくるのか、それを知りたいと思った。撮りながら考え、出来た写真を見てまた考えるということを飽きもせず繰り返し。今や撮った小間数は10万枚になろうとしている。
それが多いのか少ないのかはわからない。ただ、ここから多くを学んだ。指先をわずかに動かすだけで一瞬にして像を得られるこの奇妙な装置が、撮影者の無意識を写し出す鏡のように作用することは案外知られていない。結果としてこの装置が教えてくれたのは、
いかに自分が「見たいものを見たいように見ていたのか」だった。」(太字強調は引用者)
シャッターを切る一瞬の情動=発火点・起点の集積は見応え あり だ。