西江孝之

西江孝之という映画人がいた。1934年に生まれ2015年に他界した。記録映画の分野で活動してきたが、1969年劇映画『臍閣下』を作った。戦前から戦後にかけて多数の喜劇映画に主演してきたエノケン（榎本健一）最後の映画だ。公開時に京都で見た。土方巽、麿赤児、瓜生一郎らが出演し、作者の声は徳川無声がやっていた。

当時出ていた映画批評誌「眼光戦線」第７号は「臍閣下」を特集している。

手描きのタイトル文字がふるっている。第一部エロス篇に続いて第二部テロス篇第三部グロス篇も構想されていたようだが、残念ながら作られなかった。第一部のプリントもNFCには所蔵されていない。失われた映画は他にも沢山ある。