ペドロ・コスタの本『歩く、見る、待つ』からさらに続ける。
モンタージュ、サスペンス、ショット。
「スピードを速くしたり遅くしたり、何かを爆破したり内側に向けて崩壊させることがいつ必要であるかを暗示し、隠し、見せることこそ映画の職業(メチエ)なのです。モンタージュとはこうした作業にほかなりません。映画とは運動なのです。」
「この後で何が起きるのか、後には何がやってくるのか、一秒、一分後の世界はどうなっているのかという問いです。映画とは人生に極めて近いものではないでしょうか。‥(中略)‥ そこにサスペンスが生まれるのです。」
「イメージとは、簡潔に言えば、私たちが既に知っているものです。(シナリオを作り、それに必要な事前準備を怠りなく整える作業によってできあがるものが「イメージ」だと私は考えます。)それに対してショットとは未知なるものでなければならない。私が「イメージ」という言葉を用いるとき、それは「文化」と同義語であり、同じことをつねに反復し続けることです。それに対して、「ショット」とは暗闇です。しかし、何も見えない状況のなかでこそ、私たちは何かを作り上げていかなければならないのです。」(太字強調は引用者)