昔はそれなりに気にした時期も無かったわけではないが、映画祭や賞レースへの関心はとうの昔に失せた。永らく「眉に唾する党」「裏事情懐疑派」「下衆の勘繰り族」でやってきた。それでも、今年は久しぶりにちょっぴり心がざわついている。欧州で評価の高い濱口映画『ドライブ・マイ・カー』がアメリカ大陸でもそれなりに受け入れられ、米国アカデミー賞に向けて下馬評も高い。2月8日のノミネート発表を経て3月27日の本選発表・授賞式に向かう。
もっとも、ウイキペディアで「娯楽性より芸術性・社会性を持った作品を選定する傾向がある」と書かれたニューヨーク映画批評家協会賞やゴールデングローブ賞と米国アカデミー賞では、歴史も選考メンバー構成も規模も違う。
2020年に続いて、極東の非英語映画にどれだけの人気が集まるか、外野も外野、遠くから眺めてみようと思っている。