2ペンスの希望

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想像力 萎縮?

大学で映像論やコミュニケーション論を教えている知人が何人かいるのだが、話を聞くたびに驚かされる。

少し前 或る先生から聞いた話:

今の大学生は感情を揺さぶられたくない。あまり激しいものには出会いたくない。避ける傾向が強い。例えば、大学で参考に映画を見せる授業での実話。そんなとき「犬が虐待される韓国映画なんか見たくもない」と文句が出ることがある。(どの映画のことか、分かる人には分かるよね。米国アカデミー賞監督の出世作の一つだよ)ポルノやホラーや暴力シーンが含まれる映画を採り上げる時には、事前に大学当局に申請しておかないと後々困ったことになる。学生本人からだけでなく親御さんから大学に苦情が入ることもある」らしい。(註:太字強調は引用者)

感情を揺さぶられたくない』という話には驚いた。

最近 別の先生から聞いた話:

授業で昔の動画を見せることがある。ニュース映像とか、古い映画。モノクロの映像を見せてアンケートを取ったら、『色がついていないものを見ると吐きそうになる』というのがあった。

モノクロ映像を体が拒否するなんて、ちょっと驚き。触れてきた環境とは違うものに対する拒否反応が強いというか。積極的に自分から吸収するのではなく、楽なほうに行っている。全体的に、想像力が弱くなっていると思う。

便利なものに慣れすぎて、これまで自分が触れ合ってきていないものに対し、体が拒否反応を示す若者が多いと感じる。

文字や音から、脳のなかで絵を構築する想像力がトレーニングされていない。初めから絵を求めてしまうから、拒否反応を起こすのだろう。(註:同じく太字強調は引用者)

『色がついていないものを見ると吐きそうになる』という話には驚いた。