『孤独のグルメ』は反(アンチ)グルメ漫画だ。全 32話。何でもない地べたの料理の話が並ぶなか、2話だけ料理より店主と客の話がある。店主のふるまいにキレて喧嘩になる第12話(カウンターの中 客の前で ことあるごとに外国人従業員=留学生?を怒鳴りつける)
と客の態度を見かねて注意する第2部4話(サラリーマンらしき三人連れ。下戸の部下に何度も酒を強要する上司をいさめる)
まるで痛快活劇漫画だ。溜飲が下がって気持ちいい。
人気があったようで、世界各国で翻訳版が発売され、テレビ東京や台湾ではドラマ化された。
さらに達者なグルメブロガー=「己(おれ)」さんのブログに拠ると「雑誌掲載版から単行本化する段階で、ネームが細かく幾度も修正されている」ということだ。
上述の「横暴な店主に主人公がアームロックをかけるシーン」も言及されている。お薦め!part2 もある。
漫画を描いた谷口ジローさんは他界した。原作者の久住昌之さんは健在だ。
ブロガー:「己(おれ)」さんは、「幾多の修正を経て原作者の本領とやらがいかんなく発揮された感じ」と久住さんの篤実丁寧な仕事ぶりを讃えている。
食の世界、店主がエライわけじゃない。お客様は神様なんかじゃない。美味しい料理がすべて。粉骨砕身、営々精進して黙って作って黙って出して、客は黙って賞玩食してご馳走様でした。コレが理想。
映画だってそうだと思う。