2ペンスの希望

映画言論活動中です

全面是正 妄言多謝 (饅頭本)

少し前に「饅頭映画?」と題して「饅頭本」について書いた。やらかしちまった。失礼しました!!ここに全面是正します。

饅頭本は、「やたら豪華なつくりの記念本。盛られた上げ底 ヨイショ本。‥‥。あまり歓迎されない代物のようだ。非売品。売らない。というより、売れない。」と書いて、貶めた。早とちりの大間違いだった。

出久根達郎さんの本『万骨伝  饅頭本で読むあの人この人 【2015.9.10. ちくま文庫オリジナル】

を読んで間違いに気づいた。つつしんで訂正します。

出久根本 「まえがき」は、こう始まる。

饅頭本」とは、古書業界用語の一つで、追悼集のことである。饅頭代わりに、故人を追慕する文集を作り、一周忌や三周忌に縁者に配ったので、これを饅頭本と称したわけである。意外な有名人が追悼文を寄せていて、それらは全集に収められていない。きわめてプライベートな文章だからである。一般人に読ませるつもりで書いた文章でないだけに、真情あふるる名文が多い、それに限られた部数で、ごく一部の人に配られた私家本であるから、当局の検閲が行われていない。饅頭本には掘出し物が多い、と古書界では定評があった。おいしいのである。ぎっしりと漉餡が詰まっていて、味もよかった。(一部引用者が勝手に組み替え)

本文中にはこんなくだりもある。

饅頭本という俗称は、蔑称ではない。定価はないが、「おいしい」本の意がある。古本の、いわゆる掘り出し物は、このジャンルに多い。一部の人しか知らない本だからである。いつの間には作られ、然るべき人の目に止まり、そして忘れられていく。部数もせいぜい百か二百部である。

饅頭本には意外な筆者が意外な文章をつづっていることがある。その文章は、全集に未収録だったりする。研究者にとって、掘り出しの一冊ということになる。饅頭本は、ごくわずかしか作られず、特定の人にしか配られない。特定の人は、よほどのことがない限り手放さない。稀覯本になる。

饅頭本は捨てたもんじゃないようだ。なのに、拙速主義で嘘八百を並べてしまった。

猛省。妄言多謝。

けど、「饅頭映画?」は撤回しないョ。

だって、犬も食わない内輪映画=饅頭映画はチラホラ見かける。仲間内だけでイチビッテル祝詞映画・提灯映画・ご祝儀映画はホントにあるんだもん。国家的規模の大プロジェクト[無観客]映画なんてのも ‥‥‥サ。「おいしいものには毒が混じってる」ってこともあるし......ナ。