2ペンスの希望

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NDU 発掘2本立て

御贔屓 NDUの新発見フィルム2本が上映されるというので、いそいそと神戸・新長田の神戸映画資料館に出かけた。「神戸発掘映画祭2022」のプログラム「NDUと布川プロの新発見フィルム」上映会だ。

席数38のこじんまりしたシアターだが、30人ほどが詰めかける盛況だった。元NDS中崎町ドキュメンタリースペース)現大阪公立大学講師の中村葉子さんの解説付き。映画『東京’69 ー青いクレヨンのいつかは……』の方は、痛快で気持ちのいい映画だった。冒頭「これは宣伝映画である」という語りとともに映画が始まる「率直」、「東京の土地を持つのは会社や個人地主60万人、これは(当時の)東京地の人口約1200万人の5%。つまりは、95%の東京都民は5%の地主の土地を借り受けて暮らしてるだけ」という「明快な直球ナレーション」。映画のはしばしにシャープでロマンチックな布川さんが匂い立つ。エンドクレジットは中央に「日本社会党東京都本部」右端隅に小さく「NDU」と出る。(実は右端隅のNDU文字 気づかず 見逃していて、後で安井喜雄館長に教えて貰った。お恥ずかしい。)

もう一本『治安出動草稿 お昼の戒厳令』。タイトルはチャーミングだが、正直 中身はとっ散らかっていて いささか散漫、船頭さんが多かったのかも‥。それもあってか、こちらのクレジットはNDUではなく布川プロダクション。

とはいえ、触れられなかった映画が発掘されて日の目を見るのは有り難い。

映画はジャンルじゃない。

劇場公開の(本編)劇映画が上等で、スポンサード映画・PR映画は劣等、そんなわけじゃない。出来の悪い劇映画なんて掃いて捨てるほどあるし、作りが巧みで唸るPR映画だってある。間違っちゃいけない。忘れちゃいけない。