2ペンスの希望

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スプリンターしかいなくなっちゃった

ごくごくたまにだが、良くできたテレビCMやMTVに出会う。具体例は挙げないが、30秒や60秒わずか数分で人情の機微や葛藤を切り取ったり、見事な短編人生ドラマを切れ味鋭く見せてくれる。じゃあ そんな彼らが長編劇映画をつくるとどうなるか。大概 失敗する。

いやそんなことはなかろう、CM出身の映画監督なら大林宣彦市川準中島哲也犬童一心、吉田大八、石井克人、‥‥、MTVなら岩井俊二、三木孝浩、‥‥昔っから一杯いるじゃない。すぐさま そんな声が返ってきそうだが、もう一度言う。大概 失敗する。独断と偏見は承知の上だ。

同じ陸上競技それも同じトラック走だが、そもそもから違う。動かす筋肉も使うエネルギーの燃焼方式も何もかもが異なる。短距離スプリントと長距離持久走は端から違う競技なのだ。ワンアイデアでは持たない。息切れしたり、失速したり。ただただ冗長冗漫だったり、唯我独尊 舌足らずな暴走自爆物件だったり。九分九厘、失速する。

それでも昔は少しはマシだった。時間をかけて転向に成功する選手が居た。それを待ち、認める環境と社会もあった。時代と技術は変わってしまった。ファスト fast ファースト first  時代。

スプリンターばかりが求められ、持てはやされる。難儀なことだ。

何が問題なのか。管理人はPとWの不在・欠如だと思っている。

Pは「全体を見通し、見晴るかす映画のプロデューサー」、Wは「ホンや=よく練られた映画の脚本家」のことだ。(このことは大昔のブログにも書いているので繰り返さない。⇒ 一点突破 全面‥‥ - 2ペンスの希望

いやいや、プロデューサーだって、シナリオライターだってごまんといるじゃない! そんな寝言 戯言 世迷言は受け付けられません !!