2ペンスの希望

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2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

本『名誉と恍惚』

先に片付けないといけないことがあるのに、ずるずると後回しにして読みふけってしまった。 松浦寿輝の小説『名誉と恍惚』【2017年3月刊 新潮社】765頁 定価5400円。とはいえ、公立図書館で借りて、イッキ読みだった。1937年上海を舞台にした冒険小説。松浦さ…

「超」より「過」「極」

荒唐無稽・支離滅裂‥訳が分からなくて現実離れしているものに出会ったとき、言葉に困って「シュールやなぁ」とお茶を濁したことはないだろうか。「私には、意味よく解かりませんけど、常人・常識を超えて何やら良さげ」といったニュアンスの褒め言葉として。…

贅沢な中途半端さ

情けないが、映画を見るとストレスがたまるのが敵わないので、本ばかり読んでいる。映画にまつわる本も多い。中身の濃厚・浅薄 玉石混淆は、映画も本も事情は同じだ。最近読んだのでは、映画史・時代劇研究家という肩書を持つライターの単行本『泥沼スクリー…

二氏哀悼

2019年1月 永く信頼を置いてきた人が亡くなった。映画の世界に入った頃からいつも半歩先を行く頼りになる先達だった千原卓司さん。 もう一人は、橋本治さん。改めて紹介する必要もなかろう。同世代を代表する知性だった。 お二人とも肥満、顔のむくみが気に…