2ペンスの希望

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2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

胸アツ「映画人」本

『映画館を再生します。小倉昭和館、火災から復活までの477日』【2023.11.30 文藝春秋 刊】は胸アツ本だった。 1939年(昭和14年) 祖父・樋口勇さんがつくった映画館を継いだ三代目館主樋口智巳さんが火災で焼失した映画館を復活させるまでの紆余曲折を編…

『よもだ俳人 子規の艶』

夏井いつきと奥田瑛二の共著『よもだ俳人 子規の艶』【2023.9.30. 朝日新書924 朝日新聞出版】を読んだ。拾い物だった。 「よもだ」というのは伊予の言葉で「へそ曲がり」というか、「わざと滑稽な言動をする」というか、そんなニュアンスだ。と夏井さんは書…

『映像インタビュー術』と『‥フムフム‥』

『人の心を動かす!映像インタビュー術』という本を読んでみた。【2023.11.27.玄光社】 6人のビデオグラファーと3人のドキュメンタリー映画監督が登場する。(不勉強でゴメン。ビデオグラファーという言葉 初めて知った。写真家=カメラマン=フォトグラフ…

弥猛た?いえいえ 京都のドンだった

遅まきながら、ユリイカの『追悼・中島貞夫』特集【2023.10.1. 青土社】を読んだ。 表紙に血の赤が鮮やかだ。 表紙に記載はないが、お世話になった知人が何人も文章を寄せている。懐かしい。 「俺、弥猛た、だから」:或るインタビューでのご本人の答え。(…

「ドラマはあるけどチックがねえなあ」

「このドラマにはドラマはあるけどチックがねえなあ」誰の言葉かって? マキノ光雄。彼がある脚本を読みながら言った言葉だそうだ。光雄は、御大マキノ省三の六男坊・華やかなりし頃の東映京都撮影所のドンである。 「? なんのこっちゃー さっぱりわからん…