2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧
昨日採り上げた本『映画はどこにある』その2。 若い世代の生活と意見は、総じて冷静だった。 日本の映画は、玉石混交を通り越し「液状化」している。 作り易くなったその分だけ、作り難くなった。拙管理人はそう思っている。 「作り易くなった」のは、技術革…
少し前に、1972年生の森宗厚子さんと1977年生の寺岡裕治さんがまとめた本 『映画はどこにある インディペンデント映画の新しい波』を読んだ。 【フィルムアート社2014年2月1日 刊】1972年生の富田克也さんから1989年生の山戸結希さんまで12人の若い監…
昨日の続き、若い衆に接して最近感じること。考えてみれば、至極当たり前のことだった。 映画に魅せられ映画を志した若い頃、刺激を受けたり目標にするのは、手を伸ばせば届きそうな、ちょっと上の兄貴世代であって、親父や祖父・曽祖父世代ではない。 当然…
昨日の大林映画に続けて、 映画映像関係で働く後輩たちと話をしていて思った話。 若い頃に刺激を受けた映画監督は?という無粋でスケベーな質問を投げかけると、50歳前後からは大林、も少し若いと相米・森田・根岸、さらに若いと青山や黒沢(といっても明じゃ…
先日、周りの若い人たちと「印象的な映画監督は誰?」という話になった。 50歳前後の世代からすかさず大林宣彦という声が上がった。彼らにとって忘れられない青春映画らしい。これを見て映画を志したという人もいた。ということで、今日は『時をかける少女…
前夜 眠い目をこすりながら「午前0時の映画祭」を覗いてみた。 緞帳が開いてスクリーンが輝き始めるオープニングがあって、本編がスタート。もちろん日本語字幕入りだ。 00:00 同時視聴者数30 合計視聴者数50あまり、その後 00:15 同時視聴者…
「午前0時の映画祭」というのを最近知った。 大手映画会社がやってる「午前十時の映画祭」ではない。 深夜0時にWeb.を使ってみんなで一緒に映画を見ようという試み(祭?)である。 謳い文句にはこうある。 「パブリックドメイン(著作権切れ)の名作をUSTREAM…
昨日書いた「日本映画を見る会」と「日本小説をよむ会」の続き。 いずれも京都の町で開かれ長く続いた。昨日も引用した加藤秀俊さんの文章【『わが師わが友 −ある同時代史』1982中央公論社】にはこうあった。 「合評会の会場は、あちこちにうごいたが、…
昨日書いた多田道太郎さんたち京大人文科学研究所のメンバーが中心になって、 昭和30年代、京都で「日本映画を見る会」という会が開かれていた。 お仲間だった加藤秀俊さんの文章を引用する。 「この会は、要するに毎月一回、課題映画をきめ、それをみんなが…
ちょっとした必要があって、多田道太郎さんの『複製芸術論』を読み直した。初出は1958年3月京都大学人文科学研究所発行の「人文学報」第8号。 「複製芸術とはオリジナルのない芸術、ぜんぶが複製である芸術を指す」という言葉ではじまり、写真と映画を…
ひっそりと死に、没後その仕事が発見されて一躍脚光を浴びるアーティストが居ることを否定するわけではない。しかし、生きている間に評価されて悪いことはなかろう。 死んで花実が咲くものか。とはいえ、一人よがり・自己満足の生煮えをアートだと強弁されて…
気のせいだろうか、 以前にも増して、最近の映画はみんな、シタとヨコばっかり見ているようだ。アイツよりはマシ、アレには勝ってる、なんとか恥をかかなくて良かった、そんなのばっかが目立つ。 そこそこ、まあまあ。 ウエは見ない。テッペンは目指さない。…
昔からいつか一度は使ってみたいと思ってきたキャッチフレーズ。 悪い冗談だと思って、誰も耳を貸してはくれないのだが‥「文部科学省非公認」「◎◎教育委員会未推薦」 「長編記憶映画」 「◎◎◎◎監督商品」使ってみたいとお思いの方は、いつでも勝手にどうぞ。
宇野常寛さんの『リトル・ピープルの時代』を読んだ【2011年7月30日幻冬舎刊】 村上春樹と仮面ライダーとオタク文化を題材に、冷戦時代とその後の世界の構造変化をグローバリゼーションと(貨幣と情報の)ネットワークで読み解く手際は、イカニモ今様。 …
最近知った画家の言葉。 山梨県小淵沢町の画家清水誠一さんが2004年Last Painting2号に書いた「ラスト・モダンとポストモダン(絵画の切羽9)」の一節。 「好もうと、嫌悪しようと関係なく、ポスト・モダンの時代が隆盛してきたことは事実である。片田舎に…
知らなかった。 経済と語学はさっぱりなので知らなくて当たり前なのだが、かのケインズ博士に株式投資の「美人投票」理論という超有名な基礎理論があるという話だ。つい最近聞いた。 ジョン・メイナード・ケインズ1936年『雇用・利子及び貨幣の一般理論』第12章…
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」 野村克也監督の名言として知られるが、おおもとは松浦静山の剣術書『剣談(常静子剣談)』にある言葉だそうだ。つい最近知った。松浦静山は江戸時代後期の平戸藩主。外様大名であり、同時に、心形刀流剣…
「腰は低いが敷居は高い」京都の旧作VHS専門レンタル店ふや町映画タウンが延命健闘中だ。「最期の月」宣言を発した5月を乗り越え、6月も渡り、7月に至っている。「ここ何年超超低空飛行の連続」とのO店主の発言もある。きっとギリギリ、懸命の健闘なのだろう…
中島らもが死んでからもうすぐ満十年になるそうだ。大阪を中心にゆかりの人たちが 色々なイベントを準備しているようだ。生前は好きで何冊も読んできた。なのに、何が書いてあったのか、今となってはタイトル以外殆ど憶えていない。ただ、 当時使っていたビ…
一月ほど前に映画のオープニングタイトルを載せたが、 洋物(ハリウッド)ばかりやらないで和モノもやってよ、というリクエストを戴いた。 ということで今日は東映。 この三角マーク「義理欠く、恥欠く、人情欠く」と揶揄された。(山城新伍が言い出したというの…
錯視画像は、もっといろいろある。 有名なのはエッシャーだろうが、今日は立体=動画篇。 簡単にアニメを作ることが出来るソフトウエアgif.による作例。歪んだ空間 どちらも出っ張り? 不思議椅子
ドロステ効果というのをご存知だろうか? オランダ語で再帰的な画像(紋章学における紋中紋)が もたらす効果のことだそうだ。 あるイメージの中にそれ自身の小さなイメージが、 その小さなイメージの中にはさらに小さなイメージが、 その中にもさらに……と画…
ネットでこんなのを見た。 錯視の基本「ルビンの壷」を使った映画ポスターを二つ。 聖杯 りんごの芯 "For Every Point of View" ⇒これは、キャノンのレンズの広告のキャッチフレーズ。 【今日の引用はすべて、ASOBIDEAのHPサイト“トリック・アド紹介記第6回”…
昨日チラシのことを最近はフライヤーというようだ、と書いたら、こんなのを思い出した。 リブート。ご存知ですか、そこのお父さん。 リメイクでもリバイバルでもなく、リブート。 英語の綴りはreboot 「再起動」というコンピュータ用語からきた言葉だそうだ…
後半戦三日目最終日のお客さんは6名だった。 結局 前半戦大阪四日間で延べ37名、後半戦京都三日間で延べ26名、併せて63名という結果だった。 とても合格点とはいえない数字だが、 ろくすっぽ情宣しなかったむくい、と反省する一方で、 その割には健闘…
二日目のお客さんは、7人だった。(うちリピーターが2人。) 何とか二桁に‥と願ったが叶わなかった。 それでも嬉しいことには、全員が最後まで誰一人帰らず、延々5時間近く、三本立てすべてに付き合ってくれた。映画が魅力的だったということに尽きる。 …
映画会の後半戦=京都での上映が始まった。 初日は13名のお客さん。いまどきヘビーな三本立て。 それでも三本全部を見てくれた方が5名、二本の方が6名、一本だけの方2名だった。素材も主題も異なるが、三本に共通するのは、ほとんどインタビューだけで…
映画は、生ものではなく加工品。人が知恵と技術で練り上げた「練り物」或いは、「新鮮なままパッケージされた缶詰」だとは何度か書いてきた。【http://d.hatena.ne.jp/kobe-yama/20120205/1328455232】従って、新作偏重はよろしくない、何十年も前に作られた古…
技術の進化で、色んな映画が作られるようになった。見方・見られ方も多様化している。 それなのに、みんなとても窮屈そうに見えて仕方が無い。 映画の作り方作られ方も見方ももっともっとハチャメチャ、自由でいいんじゃなかろうか。教科書どおり、マニュア…
映画会四日目のお客さんは5人だった。 リピーターの方がお二人いた。 三本立て1000円二日目からのリピーターは半額という料金設定。高いのか安いのかは知らない。みたお客さんが判断してくれればよい。そう思って臨んだ。リピーターの方は、初日の映画が気…