2ペンスの希望

映画言論活動中です

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

作者≦観客

このところ思うところを忘れないうちに‥(ところどころあちこち脱線するが、そこんところヨロシク) 映画を筆頭に芸術芸能娯楽などの表現文化領域では、作り手(書き手)の精進・努力より、受け手の力能・感受(受感)こそが重大に問われる時代に入って来た…

広報映画『大阪の中の大阪』

五月晴れだが、今日は湿度100%ズブズブの昔話ひとつ。 下水道映画の本を読んでいて、大昔作った大阪市の広報映画のことを想い出した。企画コンペで日本映画新社が受託、その企画構成・演出を担当した。タイトルは『大阪の中の大阪』。(ためしにググってみた…

本『下水道映画を探検する』

映画にまつわる本はゴマンとある。が、イヤになるほどアタリは少ない。なかで最近読んだクリーン・ヒット一本。とはいえ〈こんなところに目を付けた俺様はエライ〉といったサブカル礼賛の変格自慢・自己満足本ではない。【星海社新書 2016年4月 刊】 タイト…

竜骨

戦後最大の思想家とか記念碑的写真集‥なんて御大層な帯の煽りコピー、加えてインテリゲンちゃんのいかにもなコメントには辟易する。けれど、長女:吉本多子(漫画家:ハルノ宵子)の序文は読ませる。 「舳先は常に波に対して直角に立てる。 横っ腹で波を受け…

「高瀬泰司とその時代」

今回も備忘録。昨日夕方から京大西部講堂に行ってきた。 「高瀬泰司とその時代」高瀬泰司さんの三十三回忌の催し。 長椅子、パイプ椅子、平台の上に茣蓙座敷、立ち見でほぼ満員。目分量でざっと四百人超。半数以上はシニアというかロートル(拙管理人もその…

「いつもそこには考えることの快楽があった」

十年ぶりに本『ドキュメンタリーの海へ 記録映画作家・土本典昭との対話』を読んでいる。【現代書館 2008年7月刊】刊行当時に読んでいたが、殆ど忘れている。 土本さんの映画は何本も見てきた。好きなのも嫌いなのもある。当たり前の話だが。本の末尾に、何…

「構造」&「時空」  『中国ドキュメンタリー映画論』

佐藤賢さんという若い(といっても1975年生まれだからもうエエおっさんだが)中国文学・映画の研究者の本『中国ドキュメンタリー映画論』を読んだ。【平凡社 2019.2.6.】デジタルビデオカメラ登場以降の中国の独立(インディペンデント)映画を概観した300頁超…