2ペンスの希望

映画言論活動中です

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

世界の映画館

世界の映画館を紹介するウエブサイトを見つけた。 米ミシガン州デトロイトのフォックスシアター。観客席5174席、1928年に作られた。 パラマウントシアターも負けてはいない。 カリフォルニア州オークランド 3040席。 動画もあった。フォックスシアター↓ …

図書館

図書館も大変なようだ。 オールドな図書館派からは、「無料貸本屋化」が非難される。運営の外部委託をめぐる評価も割れる。指定管理者制度で成長した業界最大手TCRに加えてのCCCの参入、TCRとCCCのタッグによる「ツタヤ図書館」の登場人気、一方…

川上本

ウエヴの活用は必須アイテムだ。 ということは理解しているつもりだが、いかんせん旧人類にはチンプンカンプン理解不能が多すぎる。そんなわけでちょっと前に川上量生(のぶお)さんの『鈴木さんにも分かるネットの未来』【岩波新書新赤版1551 2015年6月 刊…

スクリーニング

誘われて日本公開前のドキュメンタリー映画を観てきた。 『Nowhere to Call Home』(2014 60min.) 作ったのは日本と中国をベースにアジア報道に携わってきた米国人女性ジャーナリストJocelyn Fordさん。 案内にはこうあった。 「この作品は、在北京のフォード…

適正価格

映画の適正価格ってなんだろう? 一点もの、唯一無二の独占商品。その価格のあり方‥‥論議は古くからある。 原価(コスト)に利潤を乗せて‥‥市場一般の流通・需給バランスを睨んで‥‥当たり前ならこんな風に決まっていくのだろうが、正直よく分からない。 映画館…

地映画

酒好きの友人(業界とは無縁)がこう云った。「お前さんの話を聞いてると、これからの日本映画は地域が担うことになるようだが、それって地酒や地ビールみたいなもんかな。なら、さしずめ地映画ってことで‥乾杯!」 「成程、地映画ネ。悪くない。それ、戴き。…

曖昧さの排除

ビジネスとして小規模化することは間違いない。それでも事業設計をないがしろ(蔑ろ)にしてはいけない。生産には費用が掛かる。人が動けばお金が動く。そのあたりを有耶無耶にしたまま先に進むと碌なことはない。キイワードは曖昧さの排除、これである。 問…

しんがり(殿)

これまで何度も書いてきたが、業界に居たとか、業界人を知っているといった連中を、 むやみに信用してはいけない。訳知り顔で昔話や自慢話を始めたらもういけない。 要注意。 眉に唾して、眉を顰めて、そっと離れる方が賢明だ。 何?地元テレビ局に勤めてい…

ホリゾンタル

大昔 映画が羽振り良かった頃、映画会社大手五社は専属俳優を囲い込み他社には貸し出さない「五社協定」を設けて高い参入障壁を築いてきた。映画館も系列化し、製作から配給・興行公開館までを「垂直統合」してきた。バーティカルインテグレーション。アメリカ…

新しい土

OSが変わりながら、旧態依然とした日本の映画状況の中で、新しい地平を見据えたくて、東京に行くなとか、地域主義とか、群雄割拠とか、書いてきたが、、昔の歌を歌うのではなく、「新しい土」を掘り起こすことから始めた方が宜しかろう、ということである…

藩制 

全国津々浦々に一国一城の主が居を構える藩体制―これが映画の近未来モデルだ。 つまり、脱東京して目指すのは「江戸時代」の藩制ということになる。とはいえ、中央に「(徳川)幕府」はまったく不要。親藩も譜代も外様の別も要らない。 各藩それぞれに規模も来…

地域主義

地域主義で行こうと思う。 「中央による画一的・普遍的なコントロールに対して、各地方の独自性や特徴を重視・尊重する考え方をいう。英語:Localism 」ウイキペディアにはこうある。 東京でしか映画が作れない。そんな時代はとっくに終わっている。 東京で…

ヤマガタ

今やカタカナでフクシマと書けば、世界に知られる福島第一原子力発電所の爆発事故を指す。それほどポピュラーではないが、ヤマガタと書けば世界の映画ファンの間では「山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)」のことだ。 遠いのと億劫なこともあって、残念…

中央の消失

渋谷の映画館・シネマライズも閉館するという記事を読んだ。 東京を代表する繁華街でも、1スクリーン303席のミニシアター経営は立ち行かなくなってきたということだろう。 「シネマライズ渋谷は、ポスト岩波ホール世代にとって、ミニシアターの本丸のよ…

「コトニ夢映画制作プロジェクト」

2005年北海道札幌市琴似で中学生対象に始まった子ども映画制作ワークショップ。「コトニ夢映画制作プロジェクト」は、その積み重ねから生まれた企画のようだ。地元の中高生に映画・演劇のプロが協力・指導して長編劇映画を共同制作し、劇場公開するというもの…

「The 48 Hour Film Project」 OSAKA

「48時間で映画を作ってカンヌを目指そう」 知らなかったけど2001年に始まった世界的な映画制作コンペティションだそうだ。正直それにどんな意味があるのって思ってしまうし、ポスターもダサい・垢抜けない。いかにもどこかのお祭り好き・イチビリが思いつき…

映画館新景 トライアル&エラー

日本映画製作者連盟によれば、日本全国の映画館スクリーン数は、 2000年2,524⇒2014年 3,364 と増えている。だが増えているのはシネコンばかりで、ミニシアター単館系を含む一般館はどんどん消えている。 シネコン: 2000年1,123⇒2014年 2,911 と 2倍増以上 …

映画館新景 え〜がな500

どの映画館も、あの手この手で顧客確保に四苦八苦だ。会員化による顧客の固定化・囲い込みは昔からあった。友の会組織。今も成功例はあるようだ。昔々はちょっとした高校・大学には映画研究部とか映画部といった部活・サークルがあったものだ。今は絶滅した…

映画館新景 レンタル映画館

「ならまちシアター 青丹座」が出来たという記事を読んだ。現認したわけではないので エエ加減に書くのだが、謳い文句には「友人や知り合い、家族で好みの映像を、本格的な映像・音響システムの下鑑賞できる〈プライベートシアタールーム〉」とある。 写真 ↓ …

映画館新景 トークシェア

映画館も変わった。映画の見方・見せ方・見られ方は多様化している。 トークシェア。先日大阪十三の小さな映画館(客席36席)で初めて体験した。観たのは『首相官邸の前で Tell the Prime Minister』 チラシには「歴史社会学者小熊英二、…

ローカル

「東京に行くな」って、じゃあどうすればいいの⇒映画は地元で作ればいいのである。 生活の拠点も表現の根拠も他所に求めるのではなく、自分の周り半径5mでも500mでも50km‥どれだけでも良いから自らが光源・発光体となって創(はじ)め、作り続ければ…

脱東京

いい加減で東京に行くのは止めたらどうだろう―そう思うのだが‥如何かな若い衆? そんなこと言ったって、地元には仕事もなければ、スタッフもキャストもいない。まわりに映画を語る仲間もいない。直ぐさまそんな反論が返ってきそうだが‥。 「本気で映画をやろ…

リセット

何もかもが変わらなければならない。映画の作り方も作られ方も、見方も見られ方も、評価も、評価のなされ方受け止め方も、全てが‥。何故なら、全てが変わってしまったからだ。映画が液状化していることはこれまで繰り返し書いてきた。旧態依然・死に体の映画…

自己××

「自己」の付く言葉は山ほどある。 「自己満足」「自己顕示」「自己暗示」「自己弁護」「自己主張」「自己欺瞞」「自己嫌悪」「自己疎外」「自己憐憫」「自己弁護」「自己統治」「自己学習」「自己撞着」「自己破産」「自己犠牲」‥‥と沢山、いやというほどいくらで…

『ああ爆弾』

後年のatg映画『肉弾』より1964『ああ爆弾』の方がお気に入りだ。細かなカット割りでスピーディ、テンポよく畳み込むリズムに乗せられた。 封切り併映は勅使河原宏の『砂の女』だった。なんともスゴイ二本立て。

『独立愚連隊』

今日は久し振りに予告編。大阪の高校時代浴びるように映画を見ていた頃に好きになった岡本喜八監督。家から徒歩十分にあった「南田辺東宝」で全部見た。 1959 独立愚連隊。 佐藤允と雪村いづみは憶えていたが、鶴田浩二や三船敏郎が出ていたことはすっかり忘…

贅沢な時代

春日太一さんが役者・仲代達矢にインタビューした本を読んだ。 「仲代達矢が語る日本映画黄金時代」【PHP選書843 2013年2月 刊】 映画デビューは黒澤明『七人の侍』だったと語っている。といっても僅か2秒ちらりと写るだけの「その他大勢」端役以下。…

郄田郁さんのファンだ。宝塚市在住の時代小説を中心に書く作家。 デビュー作から欠かさず読んできた。恐らく時代考証の専門家からみれば、言葉遣いも所作も作法も出鱈目が目につくのだろうが、なあに構やしない、2015年に作られた時代小説なのだから人生観や…