2ペンスの希望

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ヤマガタ

今やカタカナでフクシマと書けば、世界に知られる福島第一原子力発電所の爆発事故を指す。それほどポピュラーではないが、ヤマガタと書けば世界の映画ファンの間では「山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)」のことだ。 遠いのと億劫なこともあって、残念ながら一度も行ったことは無い。それでも、同時進行で詳細な現地レポートを送ってくれる人がいるお陰で、居ながらに参加している気分にひたることができる。なんとも厚かましいが、有り難い。定期購読しているメルマガでも速報・特集記事が載る。
今年(2015年)もにぎにぎしく終わったようだ。台所事情は色々あるのだろうが‥?!中国語圏作家たちの活躍、欧州に押し寄せる移民問題など今日的テーマとの連携、 ドキュメンタリーとドラマの融合、などなど映画祭の様子は刻々伝わってくるが、今日はそのことは書かない。も少し遠くからあれこれ思うところを記す。
1989年から四半世紀を超えた積み重ね=継続は力なり、行政との連携と独立の紆余曲折、当初から掲げ続ける精神「世界とりわけアジアとの交流と新しい才能の発掘」。
今や、規模が大きくなって開催中に全部の映画をカバーすることなど到底無理になっている。一方でメディア環境の変化は、一ローカルが全国・全世界と繋がる道を拓いた。 ウエヴでリアルタイムな情報発信が可能になっている。長距離バスで、新幹線・空路で、東京首都圏や関西から沢山の観客が押しかける。東京からの映画業界人も少なくない。事務局本体は山形にあり、東京には東京事務局を置く体制。ヤマガタからみればトウキョウは出先機関である。数年目からは受賞作が全国の映画館・大学・ホールでも上映され始めた。エイガのセンターはトウキョウにしかないわけではない。
もちろん問題・課題がないわけでないことは言わずもがな、だが。