2ペンスの希望

映画言論活動中です

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

おかんアート:めちゃくちゃしたったらええねん

おかんアートをご存知か? 都築響一さんによる紹介を引く。 「その名のとおり、「おかあさんがつくるアート」のことだ。なにそれ?と思うひともいるだろうが、たとえば久しぶりに実家に帰ると、いつのまには増えてる「軍手のうさぎ」とか、スナックのカウン…

不穏不遜

今日不穏不遜なことを書く。 どんな映画だってあってよい、作られてしかるべきだ。そう思っている。A「あらまほしき映画」だけでなく、B「あってもなくてもいい映画」C「どうでもいい映画」D「どうしようもない映画」E「人畜無害な映画」F「好ましくな…

やさしくなって難しくなった

映画は最近、やさしくなって難しくなった、そう思ってる。「やさしい」とひらがなで書いたのは、「優しい」と「易しい」の二つを含意するからだ。意欲作・問題作と評判をとる映画は、どうしてどれも小難しく難解になってしまったのだろう。高度なテクニック…

文体の深度

映画はテーマでもジャンルでもない。目の付け所、着眼点・視点でもない。もちろん隙間狙い・ニッチ勝負でもない。文体・語り口の深度というか強度が一番大事だ。 とどのつまり、新しい映画とは、新しい人間をどんなふうにつくりだして見せてくれるか、だ。現…

『文字・活字文化の日』

今日10月27日は「文字・活字文化の日」だそうだ。 知らなかった。2005年に議員立法で出来た「文字・活字文化振興法」に基づいて、11月3日を中心とする二週間の読書週間の初日である10月27日が「文字・活字文化の日」となったようだ。 「公益財団法人 文字・…

アベレージヒッター消滅

日本の映画界からはアベレージヒッターが生まれなくなってしまったようだ。 アベレージヒッターの条件は幾つもあるが、日々打席に立たなければすべては始まらない。技術は磨かれないし、総合力も育たない。 まずは常時試合に出ることが第一条件だ。コンスタ…

インエイライサン

岡本健一という映画人がいた。関西で活躍した照明技師さんだ。1914年(大正3年)生まれ、2002年(平成14年)他界。当管理人も一度だけ一緒に仕事をしたことがある。(⇐ コレ、ちょっとした自慢、宝物。) 京都太秦の照明技術会社「嵯峨映画」のHP 二代目社長 …

西江孝之

西江孝之という映画人がいた。1934年に生まれ2015年に他界した。記録映画の分野で活動してきたが、1969年劇映画『臍閣下』を作った。戦前から戦後にかけて多数の喜劇映画に主演してきたエノケン(榎本健一)最後の映画だ。公開時に京都で見た。土方巽、麿赤…

鈴木志郎康

鈴木志郎康という映画人がいる。詩人としてのほうが有名かもしれない。1975年に『日没の印象』という映画を作った。幾つかの美術系大学で教えながら、詩を書き、個人映画を作り続けてきた。 「わたしが自分の映像表現ということをはっきりと意識したのは、19…

金井 勝

金井勝という映画人がいた。イヤ御年86歳で今も御存命なので、いるとすべきだろう。昔々『無人列島』(1969) 『GOOD-BYE』(1971) 『王国』(1973) という《微笑(わら)う銀河系・三部作》を自力で作った。1981年にはれんが書房新社から『微笑(わら)う銀河系』を…

途中退場

生来ケチなので、映画館で途中に出てきたことはない。きっともう少し辛抱していたら、話が面白くなるんじゃないか、とか、ラストシーンに思いがけない何かがあるんじゃなかろうか、とかとかで、最後まで席が立てない。どんな映画も最初の5分見れば分かる!…

福井安紀『職業は専業画家』

今日は備忘録。福井安紀さんという1970年生まれの「土と石で板絵を描く」専業画家の本を読んだ。 『職業は専業画家』【2021年6月17日 誠文堂新光社 刊】 どの世界でもそれだけでメシを喰って生活していくのは容易じゃない。まして絵画の世界と映画の世界では…

居眠り上等

映画は浴びるもの・浸るもの、映画館で観る映画はことさらそうだ。どっぷりと闇に包まれて、なるべくなら武装解除。脳は休ませて、できるだけリラックスして、感覚に身を委ねて、たゆたう方が良さそうだ。さすれば、眠りに落ちるのは至福の極みなのかも。思…

小川雅章さんの絵

岸政彦さんと柴崎友香さんの共著『大阪』【2021.1.27. 河出書房新社 刊】を読んだ。此花区や大正区など大阪の左半分好きを綴った本で面白かったが、既視感があって驚きはなかった。メッケものは、小川雅章さんの装画。 不意打ちだった。一瞬に子供の頃の空気…

没後十年

友人の映画監督が亡くなって十年が過ぎた。関西のミニシアターの館主さんが12月に「特集上映」を企画してくれる。野村惠一監督。1946.7.5~2011.3.12. 相米慎二監督のように「日本映画史に大文字で語り継がれる」監督ではない。東京に背を向け、故郷京都で「…

没後二十年

没後二十年を経て衰えず人気の高い相米慎二監督の記念本『相米慎二という未来』を読んだ。 「映画ジャーナリスト」金原由佳さんが中心になって、スタッフや役者・関係者の「回想・証言」に加えて「会ったことも仕事をしたこともない」若い監督や役者への取材…

映画館 新景 文化? 道楽!

映画館はミニからマイクロへ、目利きビジネスから貸館三毛作モデルへ。映画館はどこに向かうのだろうか。 その昔、「文化」は、王様や貴族らがパトロンとなって庇護され育ってきた。やがて、市民社会が支持し普及発展し文化営為は事業・ビジネスになっていっ…

映画館 新景  貸館 三毛作

ライブハウス、貸しスタジオは今 「三毛作」ビジネスなのだという話を聞いた。昼間は、まだほとんど無名の様々なアイドルグループ、夜は各種ロックバンド、夜中はヒップホップ、で棲み分け、稼ぐというわけだ。そういえば、ミニシアターのプログラム編成も「…

映画館 新景 マイクロ シアター

映画を観る場所はどうなっていくのだろうか? ミニシアターの行く末は? 余計なお世話だが、そんなことをつらつら考えていたら、こんな未来を妄想した。ミニシアターはいつかきっともっともっと小振り小型になってマイクロシアターになっていくんじゃなかろ…

元町映画館10年目の本

ミニシアターの十年を綴った本『元町映画館ものがたり 人と、街と歩んだ10年、そして未来へ 』を読んだ。映画の現場を作り、映画の現場を生きる良書だった。 プレスシート冒頭にこうある。 「映画を愛する小児科医、堀忠が呼びかけ、「観たい映画を上映した…

Yellow Submarine

少し前にビートルズの本のことを書いたら、 アニメ映画『Yellow Submarine』1968 のことを思い出した。 本棚のどこかには当時買ったペーパーバックスもある筈だ。 www.youtube.com若い頃は人並みにビートルズを聞いてきた。もっともローリングストーンズもジ…

ズレる アヤマる マチガエる「能力」

AI にまつわる本を何冊か読んだ。 囲碁将棋では人間を負かし、小説や映画作りの世界での導入研究も進む。けれど、まだまだ弱点があるようだ。嘘を見破るのは難しく、雑談も苦手だ。所詮、「ビッグデータの集積」と「探索の高速化」「評価関数の機械学習」に…

教訓 その参 未踏の沃野はすぐそばの遥か彼方に。

映画が生まれてとうに百年を超えた。数千年の蓄積を持つ他の表現物に比べれば、まだほんのヒヨッコ、ヨチヨチ歩きの新参者に過ぎない。なのに、劣化が激しい。このままいけば、日本の映画は若木のまま立ち枯れてしまうんじゃないか‥‥そんな懸念から逃れられ…

教訓 その弐 現場を再考・再興せよ。

教訓その弐は、「 現場を再考・再興せよ。いまここを大切に!飛翔するために根をおろせ。」 思えば、何もかもが横並び、古典も新作も一緒くた。加えて、あらゆるものがリモートでどんどん事が済む時代になってしまった。映画作りも例外ではない。イマココの…

教訓 その壱 歴史の文脈・現場に返すこと、帰ること。

大学時代の友人が、久しぶりに書下ろし本を出した。北中正和『ビートルズ』【2021.09.20 新潮新書】 「ビートルズほど多くの本が出版され語られてきた音楽家は他にいないでしょう。」こんな書き出しで始まる。 「それなのにビートルズについての本を書いてし…

武満徹 「死んだ男の残したものは」

武満徹に「死んだ男の残したものは」という楽曲がある。 作詞:谷川俊太郎、作曲:武満徹。初めに歌ったのは友竹正則だったが、その後沢山な歌い手が吹き込み、合唱曲としても長く親しまれてきた。今日は、こんなのを。 www.youtube.com

雪村いずみ 「約束」

雪村いずみという昭和の歌手に「約束」という曲がある。 作詞:藤田敏雄、作曲:前田憲男。 七分足らずのドラマ。幕切れが鮮やか。ご賞玩あれかし。 www.youtube.com

日本映画大辞典トークショー⑥

コバンザメ その⑥ 最終回。 ayamekareihikagami.hateblo.jp 紙で作られた「開かれた孤独な事典」 お疲れ様でした。

日本映画大辞典トークショー⑤

薩摩守平忠度(ただのり)その⑤ ayamekareihikagami.hateblo.jp

日本映画大辞典トークショー④

「人の刀で功名する」所業 その④ ayamekareihikagami.hateblo.jp