2ペンスの希望

映画言論活動中です

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

セルフプロデュース

「壇蜜」のことはご存知の御仁も多かろう。では、「うしじまいい肉」についてはどうだ。 拙は都築響一さんの連載で初めて知った。 【紀伊国屋書店出版部発行のfree magazine “scripta ”summer 2013「読みびとしらず」連載第28回『うしじまいい肉写真集』 2013…

「製品は良くなると美しくなる」

歳を経てから知り合って親しくなった友人が、最近ブログをリリースした。電機メーカーの研究職でいまも現役、映画一本やり守備範囲も交際範囲も狭い拙管理人には珍しい理系の友人だ。ブログのタイトルは「photo poetry 」 URLは、http://xigen.blog.fc2.com/…

イマドキ変換

昨日OSが変わったのでは‥と書いた。 今日は、昔の言葉遣いと変わってきたイマドキ言葉変換。グループ、チーム、タッグ ⇒ ユニット 協業、合作、共演 ⇒ コラボ 愛称、ニックネーム あだ名、二つ名、ペンネーム ⇒ ハンドルネーム 目印 徽章 マーク ⇒ アイコン(…

脱・私

今日も、清水良典さんの言葉から。一時ケータイ小説というのが話題になった。出版されてベストセラーも幾つか生まれた。今もネットのサイトは大繁盛みたいだ。 昔の文学好きは、ケッあんなもんは小説でも何でもない、と冷ややかだ。確かに、薄っぺらでステレ…

25語で

清水良典さんについては以前一度紹介したことがある【2013年2月7日】 なかなかの映画好きらしく、こんなことを書いている。 「ロバート・アルトマン監督の『ザ・プレイヤー』という映画に、ティム・ロビンス扮する遣り手のハリウッドのプロデューサー…

新作偏重は止めよう

新作偏重は止めた方がいい、常々そう思ってきた。新作を見たい気持ちは分からぬでもない。新しい映画・良いのに当たって、逸早く自慢したい、その気持ちは良く分かる。 まず映画館の封切りを目指し、次に見逃した映画をDVDレンタルでフォローする。少し前の…

「映画」が溶けていく。

若い友人(といっても十分にオジサンなのだが‥)から聞いた疑問。最近の十代二十代はもはや「映画」という枠組みで映画を見てはいないのではないか、というのだ。スマホやPCのモニター画面で動画を見ながら、同時並行でメールやチャットをこなす「ながら視聴…

一スジ‥新釈

一スジ二ヌケ三ドウサ、映画ファンには御馴染み、牧野省三先生のお言葉だ。 かのウイキペディアにも「スジは脚本、ヌケは映像美、ドウサは役者の演技を指す」と記されている。ゆるぎなき真理。何も言うことはない。 ただ、無謀な「映画の何でも屋」としては…

雅語・紋切り型・こんちゅう記者

お役人、それも地方公務員諸氏は、「きづき」という言葉が大変にお好きだ。同じように、映画評論家先生は「まなざし」が大好きなご様子だ。PR映画や文化映画のナレーションでは、はぐくむ、いつくしむ、いざなう、いやす、つむぐなどが頻出する。何を隠そう,…

わかりやすさ病

昨日に続いて太田直子さんの本『字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記』から。 最近、字幕がついていないと配給元や発売元に来るクレームがけっこう増えた、という話を書いている。 「意味がわからず宙吊り状態にされると、どうにも居心地が悪く落ち着かないのだろう…

字幕屋

以前『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』【2007年2月光文社新書】が面白かった太田直子さんの新刊『字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記』【2013年4月岩波書店刊】を読んだ。 「ハコ書き」や「スポッティング」など字幕制作の具体的な話は知らぬ世…

目年増?

予告編の方が面白かった、というのは珍しいことではない。 白黒無声映画、白いリムジン、ファナティックな乞食、謎めいた美女、ミュージカル、仮面、オスカーという名前‥‥ファンの気をそそる映画的意匠(衣裳!)には事欠かない。しかし、いざ脱がしてみると…

お目汚し

「銀のさら」という宅配寿司会社のCMが、ネットで話題になっているのだそうだ。 ご覧になれば分かるが、CMの舞台裏を見せていく暴露・自虐型。評価は控える。 ただ、ただただ記号的・薄っぺらな映像のしたり顔にいやぁ〜な汗が出てきた。 映像を見ることが喜…

食わず嫌い

昨日に続いて、「ゴダール映画史(全)」。 完全に食わず嫌いだった。もっとスノッブな本だと思っていた。違ってた。 JLGが語った真摯な憂国の書だった。映画という《自由の王国》の。 映画好きなら読んでみるといい。映画づくりの現場を体験した人には幾つも…

あるものでつくる

翻訳が生硬なので敬遠していたJLGの「ゴダール映画史(全)」を必要あって読み始めた。【奥村昭夫訳 ちくま学芸文庫2012年2月10日 刊】『勝手にしやがれ』制作時のエピソードが載っていて面白かった。はじめは撮影所の中で撮ろうと考えていたのだが、映画組合…