2ペンスの希望

映画言論活動中です

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

思い込みが壊されていく

1989年に始まった山形国際ドキュメンタリー映画祭の通訳として皆勤賞を持つ山之内悦子さんの『あきらめない映画 山形国際ドキュメンタリー映画祭の日々』を読んでいる。【大月書店2013年9月27日刊】映画祭愛に満ちた体温の高い本だ。 知られた(といってもド…

ちづこ流‥‥

かの社会学者の上野千鶴子センセイが書いた映画の本を読んだ。 あとがき=「かくれたシネマフリークとして」には、こうあった。 「2008年に創刊し、2013年に休刊した、『クロワッサン』のおネエさん雑誌、『クロワッサン・プレミアム』に、創刊から五…

じつは

最近の映画は、実話に基づくものが多い。 これは本当にあった出来事です、事実をもとにした物語です、というわけだ。 日本だけではない。アメリカ・ハリウッドあたりでもそのようだ。2013年度アカデミー賞 ノミネート9作のうち6つまでが実話を基にしたもの…

忘我

若い人には笑われそうだが、今でもDVDなどを家で見る時は、部屋の明かりを消して、出来るだけ暗くして見るようにしている。イマドキ流行らない。暗くして発光体であるモニターに向かうのは目にも悪い。そうとも言われる。けど、習慣ゆえ直らない。つまり…

モノにする

三年ぶりに東京単身赴任生活から関西に戻ってきた後輩の感想が面白かった。 「東京には何でもあったけれど、何にもなかった。」 彼は生粋の大阪人だ。何が言いたかったのか、足掛け十一年の単身赴任生活経験者の先輩としては良く分かった(様な気がする。) …

業界

どんな世界にも「業界」が存在する。 左翼業界、福祉業界、ボランティア業界、‥‥、おねえ業界、‥‥‥昨今何かと話題の研究者・学者業界なんてのもある。 それぞれの業界には、大なり小なり既得権益と立場にしがみつこうとする連中がいる。座布団を守ることのみに…

『映画手帖』

雑誌以外で一番古く手にした映画本は何だったのだろうか?ハッキリとは憶えていないが、高校時代大阪阿倍野の古本屋で買った『映画手帖』【清水光監修 京大映画部編1950年11月創元社刊】は最初期の一冊だ。 新書版で定価は¥130. 序文を津村秀夫が…

「成り行き」を大事に

最近読んだ映画本でダントツに面白かったのが『燃ゆる海峡 NDUと布川徹郎の映画/運動に向けて』【インパクト出版会2013年11月30日発行】だ。 出色は、井上修さんによる巻頭原稿《『鬼っ子戦う青年労働者の記録』から『出草之歌 台湾原原住民の吶喊―…

映画本隆盛

キネマ旬報2014年4月下旬号(通巻1660号)で映画本大賞という記事を読んだ。 23人の選者が2013年に刊行された映画本からベストテンを選ぶ趣向だ。聞けば2004年から始まって今年で10周年を迎えるらしい。商業雑誌だから何をしようと勝手だ。…

試行覚悟

コストと機材面だけで言うなら、昔に比べて映画は格段に作り易くなった。 仕事を始めた40年前に比べれば、桁は二つほど落ちている。 しかし、その分作り難くもなっている。そういう思いが強い。 先行する厖大な映画群を前に、見れば見るほど果てしなき既視…

予告編

60分、90分、120分の長さがあるのに、「予告編 」と称している映画がある。 『ベリー オーディナリー ピープル 予告編 』回復した精神障碍者たちの生活拠点である「べてるの家」(北海道浦河町)の日常を撮った連作。1995年から一気呵成に8本作られた。作った…

悶々

今日もまた映画を観てきた。二本。(毎度の事だが)見た映画については書かない。 ともに外国映画。最近、日本の映画はもっぱら旧作専門になってしまった。当たりハズレが大きすぎる、というより、ハズレハズレが続きすぎ。アベレージ低すぎ。それに比べれば…

お金と時間

昨日は、映画を観てきた。窓口で毎月1日は映画デーで料金が安くなると言われ、得した気分になった。映画については内緒。書かない。ウェブの映画サイトでこんなのを見つけた。備忘録としてコピペさせていただく。(MINAというハンドルネームの方だった。) …

家貧しくして‥‥

日本の映画は、とても困難な袋小路に入っているようだ。 このところずっと新作映画がなべて面白くなくって困っている。 腕が落ちた、とか、産業として成り立たなくなって若い才能が映画に集まらなくなった、「貧スレバ鈍スル」。そう考えてきた。 どれもこれ…