2ペンスの希望

映画言論活動中です

看板屋

岡田秀則 監修 貴田奈津子 企画の本『昭和の映画絵看板 看板絵師たちのアートワーク 』【2021年6月30日 トゥーヴァージンズ 刊】は懐かしく胸が熱くなる本だ。抱きしめたくなる。 企画の貴田奈津子さんが、大阪ミナミ千日前にあった映画看板屋「不二工芸」に…

折り合い

時代はドンドン入り組んで、ますます複雑になっている。だれにでもわかり白黒ハッキリしたしろものなんて見当たらない。すべてはグレートーンで拡がっている。そんな現実世界では、勝負どこはどこでどう折り合うかだ。〇か✖かではない。妥協点の探り合い、何…

ゴール

「機材の安価軽便高機能化と通信の普及浸透日常化で映画は作り易くなった一方、作り難くなった」「日本の映画は液状化が進んでいる」 これが当ブログの基本認識だ。開始以来ずっとそう主張してきた。 2012年1月のブログスタートから足かけ十年 、映画はキツ…

無限

今日は数学問題。長さの違う二本の赤い線分。さて、持っている点の数は、どちらが多い? 一見、短い方が少ないように見える。ところが、答えは、まったく一緒。 点の数はどちらも同じだけあるのだ。 数学の世界では有名なゲオルク・カントールの「無限」。 …

理解より体感を

映画はストーリー・物語があるので、文学や演劇に近く感じることが多いかもしれない。けど、違うのではなかろうか。 むしろ、音楽や建築にちかい生産品・構成物なのだろう。 作曲家がいて、演奏者がいて、技術者たちが集まってリリースする。 施主がいて、建…

伝達より生成を

映画は伝達より生成だ、最近 そんな思いが とみに深い。 映画の醍醐味は、情報や知識を伝えることにあるのではなく、新しい意味や価値を生成する場をいかにつくるか、そのテイストにある、 大切なのは、題材や主題・対象を説明し伝達すること以上に、作り手…

道徳より倫理を

唐突ですが、「道徳と倫理」について。言葉は違えどともに「人として守るべき道」だろう。けど、どう違うのか正直 よく分からぬままやってきた。この歳になってお恥ずかしい限りだが‥。そう思ってきたら、こんな論を教えて貰った。 福田恒存が「中央公論」19…

不埒な映画 映画の不埒

映画はいつ頃から「学ぶもの」「鑑賞するもの」になったのだろうか。 一世紀をとうに超え、少なからぬ蓄積ですでに十分芸術文化アートの仲間入りを果たした映画だが、思い返せば、スタートはおどろおどろした見世物興行だった。品行方正、お行儀のよい優等生…

都築響一さんをパクリ

御贔屓ライター兼エディター都築響一さんについては、幾度となく採り上げてきた。最新記事をタダ読みした。紀伊国屋書店出版部発行のfree magazine “scripta ”summer 2021「ROADSIDE DIARIES 移動締切日」 連載第26回 2021年7月1日発行 。この春 島根県立石…

鷹野隆大|毎日写真1999ー2021

大坂の美術館で『鷹野隆大|毎日写真1999ー2021』を観てきた。 「写真は流れないから強くていいな」と思った。 その時のそこが凝結・凝固して動かない。 止まっているから、腐らない。古びない。うらやましい。 会場の展示リストにこんなコメントが載ってい…

吉原悠博《RIVER ある前衛芸術家の形見》

『Viva Video 久保田成子』展 二つの拾い物。 その二は、吉原悠博《RIVER ある前衛芸術家の形見》(2021 23'10" カラー)。 久保田成子と親交のあった吉原悠博の「映像コラージュ」だ。吉原さんは、新潟県新発田市に130年以上続く写真館の館主。最新の技術を…

城之内元晴 《シェルタープラン》1964

『Viva Video 久保田成子』展に拾い物が二つあった。 その一は、城之内元晴《シェルタープラン》1964 19’00” モノクロ・サイレントのモニター画面 フル上映。 これが面白かった。 下手な説明を介するより、平沢剛の解説が詳しく懇切丁寧。ちょっと長いが、オ…

Viva Video!

大阪の美術館で「Viva Video! 久保田成子」という展覧会を観てきた。 残念ながら、あまり惹かれなかった。 1ドル360円時代に渡米し、初期のビデオカメラ(ヴィデオカメラとするのが正しいようだが、今日はこの表記で統一)と出逢ってその黎明期に活動した…

Raoul Coutard Tribute

アンリ・ドカ(エ)と並ぶ、ラウール・クタールのYouTube動画 二つ。仏ヌーヴェル・ヴァーグはこの二人抜きには語れないと思う。 www.youtube.com www.youtube.com

Henri Decaë Tribute

昔書いたフランスのキャメラマンアンリ・ドカ(エ)のYouTubeページのリンクが無効になっていたので、新しいページを貼ってみる。いつ見ても本当に上手いキャメラマンだなぁと感心感嘆する。 www.youtube.com

ジャン=ポール・ベルモンド 追記

昨日に続いて、こんなページを見つけた。 www.youtube.com 映画のオープニングタイトル集。ソウルバス風あり、夜景実写あり、主演スターアップショットあり、アニメ‥その他もろもろ八本立。 (お尻の2分少々は「傑作選」ダイジェストの繰り返しだが。)

ジャン=ポール・ベルモンド

沢山観てきたベルモンドが亡くなった。 よって今日は、コレ。 www.youtube.com www.youtube.com

すわ映画と本

1996年の長編デビュー作『2/デュオ』から1999年『M/OTHER』2000年『H story』2009年『ユキとニナ』そして最新作2020年『風の電話』まで、諏訪敦彦監督の映画を立て続けに観た。ちょっと前には本『誰も 必る「」要としていない かもしれない、映画の可能性の …

本宮方式映画教室のこと

田村優子さんの本『場末のシネマパラダイス』からもうひとつ。田村さんの文章を借りながら抜粋 紹介してみる。長くなるがご辛抱。 「本宮方式映画教室のこと」 「じつは本宮町(現・本宮市)にはちょっと珍しい映画の歴史がある。「本宮方式映画教室」である…

怪しい映画 怪しいのが映画

田村優子さんの本『場末のシネマパラダイス』挿絵写真冒頭「ポスターは映画館の顔」に「地底人 モグラン」のポスターが載っている。 「地底人 モグラン」怪獣 押し ⇑ こちらは も少し「まぼろし探偵」寄り ⇓ そして、⇓ どうやらこれがそもそもらしい。『まぼ…

三代目映画館主の記憶本

引き続き、映画の本を読んでいる。「チャンバリストを自称する著者が日本独自の暴力的アクション・エンタテインメント・任侠映画を論じた本」564頁、「私の物語と別れるために少年期から最新作までを回想し軌跡を綴った監督兼学長兼映画教育者の本」496頁、…

「好きをキチンと」なのか「嫌いをハッキリ」なのか

「好きなものがきちんと決まっているという人と、嫌いなものがはっきり分かっている人と、どっちが守備範囲が広いかといえば後者である。なぜなら、次のような理屈を考えてみればよく分かる。たとえば、赤い色が好きだとする。赤以外は嫌いだということと同…

毒と批評性

広告宣伝の世界には疎い。 業界では知られたCMらしいが、最近知人に教えられてYouTubeで見た。 www.youtube.com 十年以上も前の制作なので、今更 気の抜けたサイダーみたいで申し訳ないが、備忘録として挙げておく。ペプシ一本手に入れるためにコカ・コーラ…

Vision

「〈説明〉に終わっては駄目だ、〈描写〉になっていなければいけないーーずっとそう言われてやってきた。ちょっと前にも小説家三浦しをんさんの本をだしに、〈説明〉と〈描写〉のエピソードを書いた。 けど、ちょっと待てよ、もしかしてその先もあるんじゃな…

石井裕也の週刊誌連載エッセイ

映画は見ず、映画にまつわる本ばかり読んでいる。「戦前期の日本の映像受容について書いた博士論文の加筆修正圧縮本」384頁や、「ハリウッドだけじゃない、ドキュメンタリー映画の系譜とその影響を辿ったもう一つのアメリカ映画史」719頁、「50年程前に他界…

びっくりしたなぁ、もう

へー、知らなかった。当ブログで何度も採り上げてきた濱口竜介さんと伊藤亜紗さんは、大学で同じゼミに居た同級生だったんだ。なんだか嬉しい。ちょっぴり自慢。 東京・六本木「文喫」で開かれたトーク イベントのネット記事。 hon-hikidashi.jp 新作映画公…

納豆のまぜ加減

三浦しをんさんの小説は幾つか読んできた。 どれも丁寧な仕事ぶりで後味爽やか、ハズレのない洋食屋さんといった趣、そう思ってたら、こんなエッセイ本を見つけた。 『マナーはいらない 小説の書きかた講座 』【2020年11月10日 集英社 刊】もとは短編小説新…

Lionel Rogosin "On the Bowery"

カサヴェティスの1959『アメリカの影』もクラークの1964『クール・ワールド』も高校時代に大阪堂島の毎日会館ホールで観た。その時一緒に観たもう一本がライオネル・ロゴシンの1956『オン・ザ・バワリ―』だった。(邦題もそのままだったと記憶するが、ググっ…

Shirley Clarke "Bridge Go Round"

S.クラークは、『クール・ワールド』に先駆けてこんな映画も撮っている。 1958年『ブリッジ・ゴー・ラウンド』 www.youtube.com

Shirley Clarke "The Cool World"

ジョン・カサヴェティスやフレデリック・ワイズマンは今も若い人に人気だが、シャーリー・クラークは、あまり知られていないようだ。『クール・ワールド』は彼女が1963年 NYハーレムで撮った映画。 この映画のプロデューサーは、フレデリック・ワイズマンが…