2ペンスの希望

映画言論活動中です

『日本人の知らない日本語』シリーズ あ可よろし 篇

フランスから来た任侠映画マニアマダム・続編。 管理人も「名作」だと思ってます。

『日本人の知らない日本語』シリーズ 任侠マダム 篇

今日は、蛇蔵&海野凪子の『日本人の知らない日本語』シリーズ本【メディアファクトリー/KADOKAWA 2009~2013】から。 日本語学校の先生と外国人学生がくりひろげる日本語をめぐるドタバタ。知らないアレコレが見えてきて面白かった。 中から映画にまつわる…

久住昌之 讃 続(デビュー短編漫画「夜行」)

『孤独のグルメ』で久住昌之さんに触れたのがきっかけで、40年ぶりにデビュー作『夜行』のことを思い出した。(雑誌「ガロ」1981年1月号入選作として初掲載。当時タッグを組んでいた泉晴紀との連名ペンネーム「泉昌之」となっている)2年後には初短編集単行…

久住昌之 讃(店主 客)

『孤独のグルメ』は反(アンチ)グルメ漫画だ。全 32話。何でもない地べたの料理の話が並ぶなか、2話だけ料理より店主と客の話がある。店主のふるまいにキレて喧嘩になる第12話(カウンターの中 客の前で ことあるごとに外国人従業員=留学生?を怒鳴りつける…

上ネタ

上ネタといっても寿司ネタのことじゃない。 下ネタが、下半身・エロ話の類なら、上ネタというのは、上半身とりわけ口の話・食にまつわるアレコレだ。命名者は久住昌之さん。そう 漫画『孤独のグルメ』の原作者だ。(作画は谷口ジローさん) 久住さんはこう書…

特装本

新潮社には単行本の発行部数が10万部を突破すると、表紙が革の特装本を作って収納保存するそうだ。1956年刊行の三島由紀夫『金閣寺』に始まった伝統らしい。高度な技術で一冊一冊手作りで作られる。いまでは手掛ける職人さんはたった一人になってしまったと…

経済と科学技術

いつの時代にも、どんな社会でも、人間世界のあらゆる事象は、とどのつまりは、「お金」と「技術」の問題に行き着くのだろうか。 数とお金をどこまでどう意識して事に当たるのか、どこまでを算段して図面を描くのか、そのためにどんな技術を選んで身に着ける…

ペンネーム ハンドルネーム

ペンネームというのがある。昔々からある。実名を伏せて筆名で執筆した創作物。名のある作家であることが知られることもあれば、訳ありで秘した覆面作家というケースもある。人によっては、ジャンルや内容によって複数のペンネームを使う例もある。ラジオ投…

進歩と後退 或いは 利便と貧寒

パソコンで原稿を入力して、メールで送って入稿するようになって、手書きの自筆原稿は消滅した。 かつての手書き原稿の稀少性・高額売買人気は過去の遺物になってしまった。 技術の進歩が何かを消し去ってしまうことにもう少し注意深くなってもいいんじゃな…

『「坊ちゃん」の時代』 追記

『坊ちゃんの時代』からもうひとつ。「第三部 かの蒼空に」 主人公は啄木石川一。強心臓の浪費癖。前借・寸借の常習犯。女郎買いを生理的無駄遣いと日記に書く。自分の性格の底にひそむ逃避癖と放埓さ(の必然)を自覚した近代人。夭折の天才歌人像をくつが…

『「坊ちゃん」の時代』 五部作

『「坊ちゃん」の時代』を全巻 読んだ。1987年から1996年まで双葉社刊行の雑誌『漫画アクション』に連載された大河漫画だ。「凛冽たり近代なお生彩あり明治人」の冠詞を持つ。 漱石夏目金之助を中心に明治の文学者たち政治家たちが登場し、時代や世相を描く…

ムービー・ルネッサンス

❝ムービー・ルネッサンス❞ こなれの悪い折衷外国語でゴメン。なに、古典に還れ、という運動、そのスローガン=キャッチフレーズのつもりだ。もとより誰かが言ってるわけじゃない。誰も知らない言葉だ。昔々〝ヌーヴェル・ヴァーグ〟という言葉が一世風靡し、…

『コールヒストリー』

少し前だが、鳥取・湯梨浜町の映画館 jig theater に行って佐々木友輔監督の映『コールヒストリー』【2019 89分 】を観て来た。 jig theaterについても、佐々木友輔さんについても何度か書いてきた。 jig theater のことはコチラで⇒ jig theater - 2ペンスの…

三通りの「否(ノン)」⇒ 「一歩後ろに下がって」

昨日からの続き。カイエ・デュ・シネマ編集部編『作家主義[新装改訂版]』 セルジュ・ダネーは序文の「結局」にこう書いている。 1950年代半ば、「作家主義」に対しては、三通りの「否(ノン)」が突き付けられた。 ひとつめのタイプは、 一本の映画とはさまざ…

第三の人:セルジュ・ダネー

アンリ・ラングロアやアンドレ・バザンについては夙に有名だろう。セルジュ・ダネーの名は、今回『作家主義[新装改訂版]』【2022.4.15 フィルムアート社 刊】で初めて知った。 巻頭、「結局」と題された序文が出色だった。 ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家た…

1957『BABYFACE NELSON』

映画ファンなら誰にだって、十代から二十代前半に観た忘れられない一本がある。 拙管理人に 1952レナート・カステラ―二監督『Due Soldi Di Speranza(2ペンスの希望)』があったように、蓮實重彦大先生にとっては 1957ドン・シーゲル監督『BABYFACE NELSON(…

背反有理 2022 文月

ほぼ一年ぶり。背反有理 新ネタ 補充。 日本人は契約しないという契約をしている 上田 誠(1952~万葉学者『協会と千歳飴』89P 2021年4月7日 小学館 刊) 「昔、校長に聞いたんやけどな。先生に向いている人の条件ってのがあるんやって。なんやと思う?」 「…

想像力 萎縮?

大学で映像論やコミュニケーション論を教えている知人が何人かいるのだが、話を聞くたびに驚かされる。 少し前 或る先生から聞いた話: 「今の大学生は感情を揺さぶられたくない。あまり激しいものには出会いたくない。避ける傾向が強い。例えば、大学で参考…

「一生シロウト」

備忘録。 長じて落語にハマった中野翠さんの新書『今夜も落語で眠りたい』【2006.2.20. 文藝春秋 刊】にこんなくだりがある。(余談だがこの題名 ポーリン・ケイル女史にちなんだ命名だとあとがきにある。映画好きにはたまらない。嬉しいことだ。) 「親密に…

小咄 三層 & 生 礼賛

大阪の天満天神繁昌亭に行ってきた。 昼席のトリは、桂塩鯛さん。まくらは、小咄の三層構造の話だった。こんな話だ。 一層目は、誰が聞いても分かる分かり易いもの。 「鳩がなんか落としていきよった」 「ふ~ん」 二層目は、ちょっと考えるやつ。 「お隣の…

A New Generation

久しぶりに今日は予告編。 1965年 北アイルランド生まれのマーク・カズンズ監督の映画『 The Story of Film A New Generation 』by Mark Cousins (公開中の邦題は『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』←なんとまぁ腰の引けたサブタイトルだろう)神…

感心&得心

「野球とサッカーと本と映画と、そんなようなものに関する雑文集」とある〈念仏の鉄〉さんのブログ『見物人の論理』 どこのどなたなのか、なりわいもなにも存じ上げない。が、一読感心・得心出色の映画評だと感じ入った。おススメ。(映画とその周辺でメシを…

教養

中野翠さんのエッセイにこんな言葉を見つけた。 「つまり、「箸のあげおろし」一つ取っても「教養」というものなのだ。その人が何を恥ずかしいと感じ、何を美しいと思い、何をたいせつと考えるか。そういうことの総体が「教養」なのだ」(「ある教養の死」文…

古典;受難

「音楽にしろ映画にしろこれからは新作以上に、これまで作られた中で残っていく作品、つまり「古典」の生き残りが、激しくなってくると思います。ビートルズを聞かないでミュージシャンになる人がいて、それが受け入れられる時代の風潮があるようにぼくは思…

他人様の本棚

あまり褒められた趣味ではないが、他人様の本棚の写真を見かけるとルーペを取り出してどんな本が並んでいるのかをつぶさに見てしまう癖がある。一時、「本棚拝見」本がブームになったことがあるが、あの人がどんな本を読んでいたのか、下品な覗き見趣味が抜…

『の・ようなもの』

「デビュー作にはその後のすべてが詰まっている」という言葉を必ずしも信じているわけではない。けど、森田芳光監督映画は世評に高い『家族ゲーム』より『の・ようなもの』のほうが断然好きだ。 没後、パートナーだった三沢和子と宇多丸が編んだ『森田芳光全…

現場の記憶 記憶の現場

映画本はやっぱり現場の人にインタビューした本が一番だ。村川英編著『新版成瀬巳喜男演出術 役者が語る演技の現場』【2022.3.24. ワイズ出版】を読んで改めてそう思った。 これにくらべたら有象無象の評論家・研究者の論考なんてどんなに精緻だろうと生彩に…

石井隆:名美と村木

石井隆さんの訃報が届いた。 そうあの「土屋名美」と「村木哲郎」の生みの親だ。といっても若い人にはちんぷんかんぷんだろうが。(気になったら適当にググってくれ。訃報はどれも映画監督の、となっているようだが、管理人にとっては 終生変わらず一級の「…

MINA AOE ♬ Doo doobee, doobee, doobee, doobee, doo ba

今日は久方ぶりに唄。全くウエットでノスタルジックな懐古趣味 全開でいく。 美空ひばりは別格にして、昭和で好みの女性シンガーが三人いた。北原ミレイとちあきなおみともう一人、青江三奈。彼女がNYで録音したレコード音源から。 www.youtube.com BOURBON …

詩的な言葉 と 詩そのもの

最果タヒの本『神様の友達の友達の友達はぼく』からもうひとつ。 「詩的な言葉と、詩そのものって、全く違うと思う。(詩的な言葉って)人それぞれが過去に見つけた「詩性」に訴えかけたりするんだろう。‥(略)‥「夕焼け」「海」「光」「くれよん」とか、‥…