2ペンスの希望

映画言論活動中です

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

精神 雲泥

映画会二日目のお客さんは三人だった。 上映したのは、回復した精神障がい者たちの生活拠点・北海道浦河町にある「べてるの家」の日常・暮らしぶりを撮った連作=『ベリー オーディナリー ピープル 予告編』第一部〜第三部。題名も素敵だが、中身がスコブル面…

初日

昨日から、大阪中崎町で小さな映画会を開いている。 横浜在住74歳になる映画界の先輩が、脳出血で倒れた後も沖縄で海人や島人の映画を取り続ける68歳の友人監督を記録した新作映画のお披露目とこれまでの何本かの傑作映画(だと管理人は思っている)を上映す…

正解なんて

皆さん性急に正解ばかり求めすぎる。 世知辛く、余裕が無い。遊びもない。寄り道・道草は罪悪。今に始まったことではないが、そんな風潮が強い。 (いまさらセンター試験のマークシート方式が諸悪の根源だ なんては言うつもりもないが‥ 犯人探しで済むのなら…

「撮影技師」

先輩キャメラマンと話をしていて、「撮影技師」と言う言葉を久し振りに聞いた。 仕事を始めた頃はフィルムしかなかった。 何年かの「撮影助手」期間=下積みを経てはじめて「撮影技師」に昇格する。 そんな時代だった。 撮影者は、選び取り、切り取る仕事だ。 ビデ…

3A

作り易くなった分、作り難くなった。 最近の映画についてそう思っていることは何度か書いてきた。 開きながら閉じている、とも。 機材と技術の進化で、新しい映画は、もっともっと自由度が増していて良いはずなのに、むしろ窮屈で不自由な印象を受ける。どう…

日本語

「所作」に続いて、今日は日本語備忘録。 好きな言い回し・綺麗な言葉を幾つか並べたい。 腹ごしらえ、ムシヤシナイ、手仕事、手業(てわざ)、骨休め、暇つぶし、面構え、 (解らない人はググって見て下さいな)身体言葉や食い意地、ダウナー系が並んだが、…

所作

針畑生活資料研究会(略称:針研・はりけん)という会がある。 1974年から旧滋賀県高島郡朽木村針畑川流域の生活文化財の調査研究を行っているグループだ。記録のために、最初は8mmフィルムで、次に16mmフィルムで、そして最近はデジタルビデオを回…

二分法 撞着語法

新作映画の企画に参画している。 内容については内緒だが、上(頂点・テッペン)を目指す映画でありたいと思っている。 仮に勝手に『偶然/必然』と命名している。 いい加減ヤメにしたいと思ってきた二分法なのだが、なかなか抜け切れない。 アレかコレか、と決…

マカロニ

友人からのメールにはもひとつ こうあった。 「いまどき、マカロニ・ウエスタンなんて二重の死語なんだろうね。 ウエスタン=(アメリカ製)西部劇 も知らないのに、まして、マカロニ・ウエスタン=イタリア製西部劇 なんて、一体どれだけの人が憶えているだ…

ふた種類

少し前に、吹替版のことを採り上げた。 それを読んで古い友人がメールをくれた。 採り上げたブログは『続・夕陽のガンマン』吹替完“声”版、 メールの中身はこうだった。 「さすが、昔の吹替えは、芸が細かい。あの有名な台詞「世の中には二種類の人間がいる」…

特典・オマケ

モノがありすぎる不幸が蔓延している。 DVDやBlu-rayには多種類の字幕スーパーや音声吹替え、予告編収録やメーキング映像などがつくのが当たり前になっている。いわゆる特典映像・オマケだ。 選ばれるために、商品の本筋に付随して別の付加価値がこれでもかこ…

1万本

こんな動画サイトを見つけた。 1万本の映画の 最初の5分間を並べたものだ。 あらかじめ断っておくが5分間も付き合う必要はない。 画面をクリックするとZoom-upして 50×50 10×10 5×5本まで絞り込むことも出来る。更にご丁寧に、動画のタイトルに…

20世紀フォックス

事ほど左様に、映画のオープニングタイトルロゴも時代とともに変化する。 進化かどうかは分からないが‥。 もっとも、21世紀になっても変わらないロゴもある。 親会社名は21世紀フォックスとなったが、ロゴは20世紀フォックスのままである。 赤いスポーツカー…

山や地球やあれこれ

オープニングタイトルシリーズの続き。手抜き。 面倒なので、今日は四連発。 ご覧の通りのCG全盛。

コロンビア女神像

映画のオープニングタイトルシリーズ コロンビア映画篇。まずは基本版。自由の女神のようだが違う。コロンビア・レディと言うそうだ。纏っているのはアメリカの国旗。 創業間なし 1934年のタイトルはコレ。 1964年製作スリラー映画「Strait-Jackets」(原題…

MGMライオン

今日もヒマネタ、続き。 時代によって、映画のオープニングタイトルも変わる。 MGMのライオン。昨日の90周年版は目玉のクローズアップから始まっていたが、 スタンダード=御馴染みなのはコレだろう。 吠えるライオンを撮影中のスチール写真が残っている。 …

MGM

今日は、ちょっと休憩。ブレイクタイム。 MGM90周年記念特別映像。 " Nobody's perfect " ( 欠点 は誰にでもある ) やっぱり映画は字幕に限る。吹替えではしっくりこない。特にロートルには、ネ。

吹替完声版

吹替版が人気だそうだ。 といってもロングラン中のディズニーアニメの話ではない。 実写映画でも最近は吹替版を選ぶ人が増えているらしい。 字幕を読まなくて済むのでラクチン、聞いているだけで話しが分かる、ということだろうか。生の声を聞きたい、発声も…

深い問いさえあれば

時代とともに、映画も変わる。 今の時代、かつてのように、分かりやすい起承転結、誰でも得心が行くストーリーがそうホイホイと成立するわけではない。むしろ、そんな絵に描いたような都合の良い「物語」は、出来すぎだと敬遠される。本当のことというのは、…

「出演」

今日は、自らの不明を恥じねばならない話。 何年か前から、ネットをはじめ紙媒体でも記録映画・ドキュメンタリー映画に「出演した」という表現をちらほら見かけるようになった。とりわけご当人の弁に多く見られる。 「出演」って、映画俳優でもあるまいに大げさ…

温泉

数年前から、「映画温泉」という定期的な集まりを始めている。 今日はその発足時の趣意書を再掲する。ゆっくりたっぷり、とっぷりどっぷりお風呂につかる様に、映画を満喫する。 温まったり、のぼせたり、時には、人生の垢落とし、命の洗濯も‥。 ホントは 「…

歴史の改竄 メディアの嘘

今日は、大逆事件100年にまつわる映画を作ってきた映画界の先達CTさん(ハンドルネームは「イメジィ」)の許可を貰って、転載する。長いが面白い。歴史書通信も是非。 メディアは常に未来志向である。そして、メディアは時として嘘をつく。 未来のためには、嘘…

たまには上を

相変わらず、題材やモチーフで映画を語る評が多い。良心的なテーマ、見過ごしにしてきた社会的課題に果敢に切り込んだ意欲作、タブーに挑戦、‥云々。 しかし、だ。 主題がどうであれ、映画の出来が悪ければ、そのことに目をつぶるわけにはいかない。 青筋立…

風前の灯 後編

「風前の灯」について 続きを書く。 ここ数十年、とりわけ21世紀に入って、国産映画は、ヒエラルキーが弛み、メジャーとマイナーの差がなくなり、玉石混交を超えた液状化が進んだ。その結果、みそもクソも一緒くたになってマーケットに出荷される。人々に…

風前の灯 前編

気勢のあがらない、景気の悪い話ばかり続くが、ご容赦。 「風前の灯」という言葉がある。 「風の吹くところにある灯。危険が迫っていて今にも滅びそうなことのたとえ。」 日本の映画は、いまや「風前の灯」だ。こう書けば直ぐにでも反論が飛んでくるだろう。…

てなぐさみ

これまでにも何度か触れてきたが、あらゆる表現の根底には、自己慰安がある。 自費出版映画、自主制作映画の基層にもこの自己慰安が横たわる。 てなぐさみ=手慰み、てすさみ=手遊み・てすさび=手遊び・てすさみ・てずさみ‥。 いずれも、暇つぶし、気晴ら…

「余技雑技」 アマチュア

産業としての映画・事業としての映画が終わり、全てがフラット化していく中で、新しく生みだされる日本の映画は一体どんな形の映画になるのだろうか? 書籍や出版になぞらえてみると、とりあえずは「自費出版」のような形態が見えてくる。 音楽の世界で云えば…

『最後の月』宣言

京都にある旧作専門VHSレンタルショップ「ふや町映画タウン」は、私人が独力で経営してきた映画のひとりアーカイブだ。何度か書いてきたのでご記憶の方もおられよう。1999年の開店だから15年続けてきた勘定になる。その持続力・単独行の健闘には頭が下…

最早

最早、「産業」としての映画、「事業」としての映画は、日本では終わってしまっている、 そう思えてならない。いやそんなことはない、シネコンには若い観客が列をなしているし、ジブリをはじめアニメにはそれなりの集客がある、そう云われれば、否定はしない…

春過ぎて‥

春の居眠りを続けている間に、夏になってしまった。 サボっていたわけではない、と言いたい所だが、サボっていただけ、たわけだ。 それでも、うつらうつら映画の来世、来世の映画について考えてきたつもりなのだが。 ただ、硬化した(軟化した?)頭ゆえ、歩…