2ペンスの希望

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ふた種類

少し前に、吹替版のことを採り上げた。
それを読んで古い友人がメールをくれた。
採り上げたブログは『続・夕陽のガンマン』吹替完“声”版、
メールの中身はこうだった。
さすが、昔の吹替えは、芸が細かい。あの有名な台詞「世の中には二種類の人間がいる」を、声優・山田康雄は「にしゅるい」と言わず、「ふたしゅるい」と発音していた。
 耳で聞いて分かりやすく(=誤解が生じにくい)表現するのは当たり前のこと。仕事を始めた昔、ナレーション原稿に「約◎◎」と書くと「およそ◎◎」と直されたことを思い出す。「やく」では一瞬の理解が難しい、「およそ」とした方は親切だ、ということだ。最近では、役者もアナウンサーも皆、「やく」と言い、「にしゅるい」と言ってはばからない。

おっしゃるとおり、だ。
「翌朝」も「よくちょう」ではなく、「よくあさ」だった。その方が分かりやすく響きもよい。
しかし、友人には申し訳ないが、話し言葉の中で今「およそ」や「ふたしゅるい」という言葉がどれほど生きているのだろう。覚束無い。いずれも‥ナニソレ、古くっさい言い回し と言われかねない。 古くっさいままの管理人はそう思ってしまった。