2ペンスの希望

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特権と責務

数日前地元のミニシアターで濱口竜介監督の新作を見てきた。公開三日目 66席と小ぶりだが大入り満員補助席も出て札止め大盛況。慶賀の至りだ。昨今珍しく若い青年客多く、シニア客は目立ない。コレまた心強く頼もしいことだ。『悪は存在しない』大上段に振りかぶりながらそっと差し出されたタイトルネーミング  濱口スタイルで上手いものだ。

例によって、映画評は控える。ただ、当管理人には、前作の評判の勢いに乗っかった「小(休止作)品」に見えてしまった。悪くはないし、音の演出もお見事。相変わらず達者で脚本も丁寧な造りで新しいのだけれど、「も少し先まで行って貰いたかった」というのが率直な感想だ。もっとも無いものねだりは愚の骨頂だし、じゃあお前さんならどうすると言われてしまったらグウの音も出ないのだけど‥サ。

「ここまでだったら、誠実に映画を生き精進を重ねてきたら誰でも到達出来る‥、も少し先まで‥一歩でも半歩でも先まで行って、映画史=人類史に示唆・貢献して欲しかった」と云えば、厳しすぎるのかもしれないが。

ただ、コレこそソレこそ「後から来た者の特権であり、責務でもあろう」と当管理人は強く思った次第、忘れず書き留めておく。

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(夜明け前が一番暗い、のか、間もなく夜が明ける、のか、永遠に明日は来ない、のか、まだ誰も何も言えないけれど、愉しみなことだ)

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