2ペンスの希望

映画言論活動中です

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「無駄の蓄積」

高崎俊夫さんという編集者がいる。 「月刊イメージフォーラム」を経てフリーの編集者になり、映画本を多数手がけてきた。 選択眼の良さから愛読してきた。基本 裏方なので、自身が語ることは少ないのだが、こんなインタビュー記事を見つけた。少し古いが引用…

背反有理2017春

きゃりーぱみゅぱみゅの『あたしアイドルじゃねぇし!!!』【東京ニュース通信社 2017年1月 刊】から、久しぶりに 背反有理コレクションを拾ってみる。 のっけ007頁「はじめに」からこうある。 「ネットでみんなが繋がるようになって、人類はいろんな自由を手…

高野

九人目は『空族』の高野貴子キャメラマン。1973〜 これまで挙げてきた面々よりは若いが、それでももう40代。 2017年春公開の空族最新作は担当していないようだが、管理人のお気に入り、 当代ピカイチ。 ということで ここは『サウダーヂ』 : 以前にも一度…

田村&大津

八番手は、記録映画畑出身の田村正毅(平仮名表記の「たむらまさき」も使用)キャメラマンと大津幸四郎キャメラマン。小川プロの一連のシリーズは彼らの仕事だ。 大津1934〜2014 田村1939〜 字幕テロップがどれもこれも大仰で下品で閉口。だが御容赦。

篠田

七番手は篠田昇キャメラマン。1952〜2004 1985『ラブホテル』 劇場昇格 第一作 石井&相米&榎戸&熊谷&寺田&速水&山口&もんた&ブラザーズ

長田

六番目は長田勇市キャメラマン。1950〜 雑食型でなんでもこなすが、 『TATTOO[刺青]あり』 土砂降り雨の夜間 クレーンカットが衝撃的だった。

川上

五番は『サード』川上皓市キャメラマン。1946〜

安藤

四番打者は安藤庄平キャメラマン。1933〜2011 『泥の河』より断然『㊙ 色情めす市場』【いかにも煽情的な公開タイトルだが、制作中の撮影台本タイトルが「受胎告知」だったというのはファンの間では知られた話】

仙元

三人目は仙元誠三キャメラマン。1938〜 体育会系手持ち自在フットワークの軽やかさ。 (タイトルクレジットには吉岡康弘の名も見える)

鈴木

二番手は鈴木達夫キャメラマン。1935〜 1966年の映画『飛べない沈黙』 数年前懇意な映画キャメラマンのお蔭で再見した。 企画小笠原基生 脚本に黒木と並んで松川八州雄・岩佐久彌、撮影協力に奥村祐治 撮影助手に大津幸四郎・田村正毅。助監督は東陽一、スチ…

姫田

手当たり次第何でもかんでも見た時代から、俳優で見る時代、監督で見る時代を経て、キャメラマンに惹かれて見ていた時代が確かにあった。 その頃のお気に入り何人かを、しばらくシリーズで。 トップバッターは、姫田真佐久キャメラマン。1916〜1997 (それ以…

役者の演技

荒木一郎『まわり舞台の上で』【文遊社 2016年10月 刊】を読んだ。 多才な人だ。 いろいろ面白かったが、映画の役者を志す若い人が読むのが一番ためになりそう。下手な演技教則本よりずっといい。精神論ではなく具体的なメソッド・やり方が書いてある。役に…

京極と九楊

昨日の続き、鳥海修さんの本『文字を作る仕事』【晶文社 2016年7月 刊】から。 ■ 京極夏彦さんの自宅。担当編集者らと仕事部屋に導かれた鳥海が初対面でおずおず差し出した游明朝体Rの仮名の原字をしげしげ眺めた後。 「そういうことなんだね。私たち作家は…

春のおススメ三冊

[ このところ 読む本に当たりが続いている。どれも刺激的。各自で手に取ってもらうしかないが、備忘録的にちょこっと紹介。 ↖小川さやかさんの本は、“Living for Today”をキイワードにアフリカタンザニアの零細行商人“マチンガ”、香港・深圳の“山寨”などをフ…

音・裏方・受容力

飽きもせず映画を見続けながら、最近つらつら思うこと三つ。 その一:音。 映画がいつでもどこでも一人で見られる時代になって、音の役割がますます重要になっている。とりわけ映画館ではそうだ。音の設計・演出が映像以上に官能を刺激する。 かすかに聞こえ…

文法・演出よりも材料・設定

和田誠編『モンローもいる暗い部屋』を引っ張り出して、久しぶりに巻末近く淀川長治と吉行淳之介の座談を読み直した。「こわいでしたねサヨナラ篇」初出は昭和50年(1975)4月雑誌「別冊小説新潮」) スピルバーグ監督の出世作『激突』(1971)を熱く語り、『太…

何度も見る?

う〜〜〜〜〜〜む。 映画も音楽と同じように何回も見る時代に入ったのだろうか。 お気に入りのCDを何度も何度も繰り返し浴びるように聴いて楽しむがごとくに。 そんなことを考えてしまう映画を見た。平日の午後大阪梅田のミニシアター、単館ロードショー。19…

『息の跡』

『息の跡』という記録映画を見てきた。 小森はるかさんという28歳の映像作家が撮った長編第一作。好感の持てるつくりで、面白く見た。悪くはない。悪くはないが良くもない。手放しで褒めるほどではない、そう思ってしまった。映画は作り易くなった分、いよい…