2ペンスの希望

映画言論活動中です

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ヨイショ雑誌

真偽のほどは知らないが、エディター都築響一さんがこんなことを書いていた。 「「飲んでるときは批判や悪口で盛り上がるのに、つくる誌面のほうは批判ゼロのヨイショ・ページばかり」の三大雑誌ジャンルが建築・ファッション・音楽だ。」【「ROADSIDE BOOKS…

すぐ書いて、すぐ読んで、すぐ次に行く

原稿用紙を見たことも使ったこともない小学生が増えているそうだ。プロの物書きでも今 手書きで原稿を書く人はどれくらいいるのだろうか? 「作家になる前に一本だけ手書きの原稿がありますけど、それ以外は全部ワープロ。ワープロがなかったら、作家になっ…

怪演(≒快演) 迫演

女優さんで見る映画より、監督さんの名前で見ることの方が増えている。情けない話だ。週末、ちょっと前に公開され見逃した映画や気が重くて敬遠してきた映画をDVDで何本も借りて観た。大半は想定内のアチャーだったが、へ―という女優さんがワンシーンだけ…

写真・写真家・映画

今日は久しぶりに、予告編。 若い知人から教えて貰った写真家ロバート・フランクの ドキュメンタリー映画。御年91歳。スイス出身米国在住。その目でアメリカ人を撮った“THE AMERICANS”(1958)は昔見たことがあった。星条旗やマイノリティを捉えたショットが巧…

映画と同じくらい本も好きだ。 本というより、活字。活字というより文字。文字というより紙。紙というよりインク(の匂い)。さらに紙魚も帙も。 ということで(何が?とのツッコミは今回無しでお願いします) 2016年春からTBS系列で放送されたドラマ「…

背反有理2016夏その2

岡山県真庭市勝山で2012年冬からパン屋を始めた渡邉格さんの『腐る経済』を読んでいる。【講談社 2013年9月 刊】 「「腐らない」という現象は、自然の摂理に反している。 それなのにけっして腐らずにむしろどんどん増え続けるもの。それがおカネ。そのおカネ…

背反有理2016夏その1

ちょっとした訳ありで、「青少年読書感想文全国コンクール」の2016年夏の課題図書『さかさ町』(小学校中学年の部 岩波書店 2015年12月初版)を読んだ。 いかにも岩波書店ごのみの「ちょっと ひねった文明社会批判」臭が気になるが、得点が少ない方が勝つ「…

リアル・本当のこと

数日前から、里山社刊行の『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家佐藤真の哲学』という本を読んでいる。 佐藤真の本というより、奥さんをはじめ周囲の人々・縁のあった人々のエピソードが語られ、佐藤の肉声・体温・眼の高さが伝わってきて タノシ…

特効万能薬

若い人はすぐに使えそうなものばかり欲しがる。 トレースできるテンプレとか、はめ込み式フローチャートとか、とか。 巷には、便利グッズ、直ぐ役に立つスグレものが溢れかえる。 しかしだ。この世には特効薬も万能薬もない。未来永劫ないとまでは言わないが…

脚本 3?4?5?7?

フィクション・ノンフィクションに拘わらず、ドラマ形式としては、 序破急の三段構成や起承転結の四段構成がよく知られる。 昨日も書いた三宅隆太さんの『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』【2015年7月 新書館 刊】には、「発端・葛藤・危機・クライマ…

脚本 3つのキイ

昨日ちらっと書いた三宅隆太さんの『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』に高校生時代のエピソードが載っていた。将来映画監督になりたいと決めていた三宅君は、当時来日中だったオリバー・ストーン監督に会おうとアポなしで業界パーティーに潜入する。…

ここまで来てる

久しぶりに都心の大型書店を覘いてみた。 相変わらず映画本の新刊書がたくさん並んでいた。最近、映画本体の方は碌な新作にお目に掛からないのだが、幾つか目に留まった。 一冊は、若い映画研究者のための文献案内。『日本映画研究へのガイドブック Research…