2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧
ヒリヒリする映画を見た。2012年の日本映画。 撮ること、演じること、見ること、そのスリルとサスペンス。ハラハラドキドキ。 弱さと強さ。もろさとかたさ。近さと遠さ。細かな注文はあるが文句なし。たどたどしくもきっぱり迷いなし。溢れながらに過不…
難儀なことになっている。 脚本は練られてる、役者も悪くない、演出も巧み、スタッフ各パートの仕事ぶりも丁寧、健闘している。普通に考えればよく出来た映画・合格点。なのに、何故か不満が残る。不全感がぬぐえない。無い物ねだりなのはわかってる。昨今、…
「ドキュメントするとは、制作者や作家が、自分をそのまま素材にすることなのだ。自分の恥部をさらけ出したままで相手にぶつかり、自分の毒で相手にせまり、自分の毒をふりまくことで相手(たとえばあなた)の武装を切り裂き、あなたの汚れ、あなたのずるさ、…
昨日とはさかしまなことを書く。 不可視の可視化・見えないものを見ようとする意志こそが映画の推力となる。 そんな映画だけが新しい映画の名に値する、強くそう思う。 どれだけシナリオがよく書けていても、作る前から仕上がりのすべてが見えている・見通さ…
映画は練り製品だ。何人何十人のスタッフが持ち場持ち場で練りに練り工夫を凝らして拵える複合生産物。旨味が何層にも積層した“ミルフィーユ”。 だからこそ、どんな楽しみ方をしようと構わない。味わい方は多種多様に開かれている。 映像を楽しむ、ストーリ…
映画の賞味期限について考えた。 数年前から定期的に旧作映画を見る会に参加している。最近見たのは O.ウェルズ『市民ケーン』(1941)と小津安二郎『一人息子』(1936)の二本立。 かたや、 天才映画人による、怪物市民の生涯を描いた意欲満々「大文字」のス…
映画にも即効性の映画と遅効性の映画がある。 即効性の映画とは、例えば往年のヤクザ映画。劇場から出てくる男性客は一様に眼光鋭く肩をいからせて健さん気分。分かり易い。 ジェットコースター(ローラーコースター)・ムービーなんてのもそうだ。息もつかせ…
京都ふや町の旧作VHS専門店「ふや町映画タウン」については何度か書いてきた。 少し前に出掛けた時、O店主と話したことが頭を離れない。 「映画の歴史が始まって一世紀超、1980年代に LDやβmax・VHSなどが普及してから既に四半世紀が経った。なのに…
「青春群像」と云えばもう1本、ポーランドA.ワイダの『夜の終わりに』1960を思い出す。原題:Niewinni Czarodzieje 「無邪気な魔術師」誰の発案か知らないが、邦題はかっこよかった。 (配給会社 新外映のどなたかが付けたのだろう。) 観たのは高校時代、…
見逃していた古いイタリア映画を見た。初見。 1953年 F.フェリーニの第三作『青春群像』原題は I Vitelloni:「乳離れしない仔牛」という意味だが、北イタリアの方言では「のらくら者たち」のことを云うらしい。 いやぁ、お見事。エンディングを観てもらい…
映画に写っているのは、すべて「過去」である。 これがTVとの違いだろう。テレビの本質は現在進行形・同時中継・生・ライブだ。 大昔「お前はただの現在にすぎない」というテレビ論があった。中身はすっかり忘れてしまったが、タイトルは今も鮮やかに憶え…
今 映画は一人でも作れるようになった。機械技術の進歩のお陰と、有り難がる声が聞こえる。一方、お陰でえらい迷惑、そんなつぶやきがあることも忘れたくない。 撮影所があった頃の専門職・技術集団は見当たらなくなった。照明部が消え、録音部が減り、大道…
「ぼくが音楽が好きだというのは、意味がないから好きなんですね。意味が入ってくると、とたんにつまらなくなる」 タモリの言葉だ。 まったくその通り。 木皿泉の連載エッセー最新号にもこんなやりとりがある。 弥生犬(書き飛ばしてますねぇ。放送が終わっ…
松谷武判の展覧会を観てきた。西宮大谷記念美術館。 「木工用ボンドのふくらみを鉛筆の黒で塗りつぶしていく手法」で知られる画家だ。 知り合いのキャメラマンが何年も前から撮影を続け既に3本のDVDを完成させている。そんな縁もあって、これまでも何度…
面白い文章を目にした。 安田登さんという能楽師が紀伊國屋書店発行の季刊冊子“scripta”に連載中の「野の古典5 ふつうの人のための論語」【no.37(autumn 2015)】 「実は孔子の時代の漢字は、いま私たちの使っている漢字よりも数が少ないのです。 私たちがい…
大衆演劇、昨日の続き。 たしかにマイナーといえばマイナーだ。歌舞伎 文楽 新派 新劇 喜劇 小劇場‥‥あまたある演劇にくらべるとずっと“格下”に見られてきた。昨日の橋本正樹さんの本「晴れ姿!旅役者街道」にも、 「変容しつつある大衆演劇だが、大抵の方に…
樋口次郎 沢竜二 美里英二 見海堂真之介 里美たかし‥‥と聞いてピンと来る人はどれくらいおられるだろう? では 梅沢富美男 松井誠 早乙女太一 チビ玉三兄弟 ‥‥とくれば? そう大衆演劇の新旧スターさん達だ。 少し前にラジオで橋本正樹さんという大衆演劇フ…
まともな映画館は10館だけ という国もある。西アフリカのナイジェリア。 暗い映画館では犯罪が起こる可能性が高いため、金持ちしか入れないよう入場料は5,000円に設定している、とネットにあった。(今日はネットで仕入れた情報を元に書く。よって真贋…
きりがないので、今日で打ち止め最終日。落穂ひろい。 近未来型なら⇒ 仏パリのラ・ヴィレット公園内のシテ科学産業博物館にある映画館 ラ・ジェオード。 全386席の半球形のドーム型スクリーン。 歴史型なら⇒ クロアチアのプーラアリーナ。円形アーチが残るコ…
スペイン マドリッドにあるシネテッカ デルエル マタデロ。 もちろん行ったことはない。シネコンらしいが、SALA AZCONAはノンフィクションに特化した部屋とのことだ。近未来映画の一シーンみたい。
まだまだ続く映画館。今日は英国のソルシネマ。 8〜10名で満員。太陽エネルギーで上映される世界一小さな移動式エコ映画館。 電力はソーラーパネルとリチウム・バッテリーで供給、本体は古キャラバンを再利用。 イベント会場などを巡回興行している。 Men…
マレーシアジョホール州のショッピングセンターにあるビーニープレックス。 謳い文句は「世界で最も心地よいシートの映画館」。 レギュラーシートやカップル専用シートなど6スクリーンを持つシネコン。常設でない映画祭や特別試写会での映画上映に広げれば‥ …
昨日に続いて世界の映画館。 英ロンドンの高級住宅街ノッティングヒルにあるエレクトリック・シネマ。 名前は、1910年にヨーロッパではじめての電気シネマとして開館したことに由来する。 もうひとつ、 米フロリダ州 ディズニー・ハリウッド・スタジオ 内に…