2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧
改装休館前の飛田東映・トビタシネマの100円興行に行って来た。 もぎりのお兄ちゃんから貰ったチラシがコレ↓ 平日の昼間、邦画館は座席の半分近くが埋まり(5〜60人?)、洋画館の方が少し少なくて40人ぐらいの入りだった。それでもシネコンの観客一桁に…
商売柄ボイスサンプルは沢山聞いてきた。声のサンプル集。 仕事を始めた頃は、デモテープともいった。カセットテープだった。やがてCDになり、 今は通常インターネットで聞く。ナレーターやMC、声優、吹き替え、‥‥、所属プロダクション毎に検索アクセス…
芝居や台詞の上手下手って何なんだろう?嘘くさいとかリアリティが無いなんて言葉をよく聞くが、この前ラジオでこんなことを喋っていた。 「上ずっていたり、早口だったり‥口先だけの棒読みかどうかは何となく分かるもんだが、一番の判断材料は、読んでいる…
皆さん答え合わせが大変お好きなようだ。 監督さんの意図は?狙いは?描きたかったものは?伝えたかったメッセージは‥‥?演出意図や作者の意思・思惑ばかりに目を凝らす。○をもらいたがり、×をつけたがる。解釈しようとしたり、埋め込まれたイコン・アイコン探…
偽学生の何がいけない、と昨日のブログに反論が来た。大学に行けない若者が向学心に燃えながら紛れ込んだっていいじゃないか、というご意見だった。 おっしゃる通り。 明治時代にまで遡らずとも、昭和の終わり頃から平成初頭にかけて「ニセ学生マニュアル」な…
複雑なものが敬遠されるようになったのは、いつ頃のことからだろうか。 昨今、単純で分かりやすいものばかりがもてはやされる。 単純化・画一化・全体性>複雑さ・個別性。 テンプレが重宝される。定型・類型・ステレオタイプ・紋切り型。 単純明快、泣ける・笑…
世の中、決断を迫る風潮が強くなっている。映画界だけじゃない。全体が淀んでいる。考えていても何も始まらない、生き延びられない。だったら、下手に考えるより手っ取り早く決断する方がよろしかろう、という思い、分からぬでもない。 止まったら倒れる自転…
飛田東映・トビタシネマが4月1日から改装のため休館する、と大阪の友人が知らせてくれた。下記はYouTubeで見つけた動画。(途中暫く画像が途絶えるがまた復活する) イマドキ奇特な三本立の格安映画館。プログラムが渋くてたまに出掛けていく。 飲食…
長らく映画を見ていると、あぁ作り手はこの画を見せたかったんだな、というワンカットが印象に残り、後々まで忘れられないということがある。 映画の出来不出来、好き嫌いは別としてそんな画に出会うと嬉しくなる。ホッとしたりハッとする。フレームを切った…
上方落語の長編『東の旅』導入部、お伊勢参りに向かう二人旅、煮売屋のくだり。 「酒はあるか」と問う旅人(■)に食堂の婆さん(▲)答えて‥▲この村には良い銘酒がありますでな ■銘酒?そらけっこぉやなぁ、どんなんがあるねん? ▲「村さめ」に「庭さめ」に「…
デジタル・ネイティブにとって、映画は 所与のもの・既に盛りを越えた旧いもの である。考えれば当たり前のことだが、面と向かって云われてしまうとショックだ。 彼らにとって映画は「大体二時間前後くらいで終わる動画」という以上ではない。 それなりに見…
昨日の対談に敬意を表して‥もっともご当人は向こう見ずなのに脇が甘い(と拙管理人は感じてきたのだが)‥いずれ にしろ‥ 原一男さんの代表作であり、同時に奥崎謙三さんのPR映画でもある1987年公開の 『ゆきゆきて、神軍』 二本立て。 予告編:多分 色…
neoneoというウエブマガジンがある。 「日本で唯一のドキュメンタリーマガジン」という触れ込みはいささか品位に欠ける。 好みではない。記事も正直玉石混交。その最新号で、1945年生まれの原一男さんと1975年生まれの佐々木誠さんの対談を読…
聞かせたい一曲と、撮りたい女優が一人いれば、映画は出来る、誰かがそう言ってた。 確かに。 肩の力を抜いてさらさらと‥ 一筆書きか走り書きのような映画。 しかし、そこには底知れぬ彫り込みと肉付けが求められる 受け手は知らなくてもいいが、作り手はこ…
「大きな物語」が成立しづらくなってからなのか、状況設定とキャラ設定があるだけ、 日常が淡々とすすむだけでストーリーもドラマも何も起こらない、そんなタイプの映画がやたらに増えた。 しかし、間違ってはいけない。そんな映画こそ作り手の方は考えて考…
封切を含め比較的新しい映画を立て続けに見た。ハリウッド映画が1本、欧州映画1、中国第六世代映画1、そして日本の若手の映画3本。後味良く見られたのは御歳85歳のハリウッド監督の1本だけだった。あとは、どこかしら不満が残った。観なけりゃよかった非…
プロとアマについては何度も書いてきた。決定打を出せずまま今に至る。 もしかしたら、プロとアマという二分法=問題の立て方が違っているのかもしれない。 そんなことにこだわってないで、ちゃっちゃとやりたいこと・出来ることをすればいいんだよ。そうい…
ルナールの“博物誌”「へび 長すぎる」ではないが、最近の映画は長すぎる。 どんどん説明的になって、冗舌・冗長・冗漫。だらだらうだうだ‥それが狙いだというかも知れないが、ハッキリ言って、もたもたよたよたしてるだけ。持たない。付き合いかねる。 省略 …
小関智弘さんの『職人学』【講談社2003年11月 刊】を読み返していて、こんな言葉に出会った。 職人は教え下手ではあるが、育て上手でもある。 職人の世界では「技は見て憶えろ、盗んで習うもの」というのが通説としてある。 これを小関さんは俗説だとしりぞ…
五意達者。 江戸時代初期の大工技術書『匠明』(しょうめい)に書かれた大工さんの心得だ。 五意とは、式尺の墨曲(すみかね)、参合、手仕事、絵用、彫物、 大工たるものそのすべてに熟達すべく臨めと説く。 式尺の墨曲: 寸法の比例を認知し曲尺を駆使して…
かつて佐賀県伊万里市に黒澤明記念館サテライトスタジオがあった。 色々芳しくないことがあって本格的な建設計画が中止され閉館したことは知っていた。 ゆかりの品々をデジタルアーカイブ化するプロジェクトが進んでいることもうっすらとだが聞いていた。け…
深夜ラジオは隅に置けない。 今日は、「自分の映画館を持ちたい」という積年の夢を実現させた横浜の女性の話題。横浜シネマリン代表 八幡温子さん。ラジオで知った。残念ながら面識はない。 横浜シネマリンは、横浜伊勢佐木町商店街に隣接する映画館である。…
やっぱり寺田寅彦はすごい。吉田健一(1912〜1977)と寺田寅彦(1878〜1935)、この二人は、折り紙つきのお値打ち品だ。(すべてを読んでいるわけではないが‥) 吉田健一は無理だが、寺田寅彦は「青空文庫」でたくさん読める。 『科学者とあたま』(初出は1…
「自由」⇒ freedom liberty 「賢い」⇒ wise clever intelligent smart sharp bright ‥‥ etc. 英語に堪能な人は上手に使い分ける。当方はうらやましく眺めるばかりだ。 先日 海外経験の長い知人と話していたら、こんな言葉を教えてくれた。 あなたの言う「娯…
大阪芸術大学映像学科卒業制作展DFA(DAIGEI FILM AWARD)2015のチラシを読んだ。 コピーをコピーする。4年前、高校生の私たちは知らなかった 映像にはルールがある事を カメラを構えただけではダメだという事を 人に見せるという事の意味を大学での日々…
人間は、飾ったり、盛ったり、カッコつけたりする。意識的にも‥無意識的にも‥。 エエとこだけを切り取ろうとする。それで済めばいいが、なかなかそうはいかない。 美しい話・感動する話の嘘くささが見えはじめるとつらくなる。とたんに詰まらなくなる。 もの…
昨日或るところで、或る映画を観た。 或る地域をモチーフにした人物インタビューシリーズの第三弾。 今回は、阪神淡路大震災を経験した親子(父66歳母60歳長男27歳)が対話する二面マルチスクリーン方式。56分。 リビングらしきテーブルを挟んで父母…
平山夢明さんという作家が『DINER』という小説【2009年10月 ポプラ社 刊】の あとがきにこんなことを書いている。 「『七人の侍』制作時に黒澤明監督が語ったような「ステーキにしゃぶしゃぶに寿司にカツ丼とハンバーグを載っけたような」贅沢な読み物に…