2ペンスの希望

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100円興行

改装休館前の飛田東映・トビタシネマの100円興行に行って来た。
もぎりのお兄ちゃんから貰ったチラシがコレ↓

平日の昼間、邦画館は座席の半分近くが埋まり(5〜60人?)、洋画館の方が少し少なくて40人ぐらいの入りだった。それでもシネコンの観客一桁に比べれば、大人数で映画を見るのは悪くない。 もっとも、スクリーンと無関係に安眠中の観客もチラホラ、昭和の映画館そのままだった。あの頃は、冷暖房代わりの避暑避寒客、仕事サボりの外勤サラリーマンで賑わっていた。眠りこけている観客も必ず混じっていた。
近所のスーパーマーケットで巻き寿司とビールを買い込み二館をはしごして、料金は200円。合計5本立てを観た。ブロードウェイミュージカルあり、西部劇あり、大作時代劇あり(勝プロの周年記念映画。 クレジットタイトルには公私共にお世話になってきたスタッフの名前も並んでいて懐かしい)十代へのタイムスリップ、細部まで憶えているのもあれば、あれこんなちゃちな画面効果演出だったのと驚くシーンもあった。
初見の映画も二本。洋画の方は今ひとつだったが、邦画は大当たりだった。公開当時それなりに話題になったヤクザ「人生」映画だったが見逃していた。自主制作で、夭折の男優唯一の主演作、脚本も自分で書いている。シーンの見せ方・運び方は一本調子なところもあるが、ラストシーンは秀逸。クールだが熱い映画だった。今でも熱狂的なファンが居るというのも頷ける。こういう拾い物・めっけものに出会うと嬉しくなる。
幕間に歌謡曲が流れるのも「昭和」だった。その曲が山口百恵の「さよならの向う側」という演出もあった。 「約束無しのお別れです」という歌詞が切ない。