2ペンスの希望

映画言論活動中です

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

B級

何時頃からなのか、誰が推奨し始めたのかは知らないが、B級カルト映画が持てはやされている。I井T男さんやS木N文さんといった監督が若い人たちを中心に再評価されて人気だそうだ。レトロスペクティブや特集上映には少なからぬ観客が集まるらしい。 観も…

しんがり

みんな先にいくことばかり考えている。 リーダー、前衛、フロント、先頭を走る方が目立つしカッコいい。新しいというただそれだけで価値がある、と持てはやされてもきた。けど、どうだろうか、ここらあたりでひとつ、リーダーに替わって、一番後ろから付いて…

映画館再々

映画館については、何度か書いてきた。古い本棚をひっくり返していると、ロランバルトが出てきた。【ロラン・バルト「映画館から出て」『第三の意味―映像と演劇と音楽と』みすず書房1984 沢崎浩平訳】書き写してみる。 映画館の闇は、都会の世界の粗暴さ…

黒犬

安藤昇つながりで、今日は唄。『黒犬』作詞唐十郎(多分作曲も‥)唐の唯一の監督映画1976年ATG配給『任侠外伝 玄界灘』の主題歌。 唐の口移しらしき歌唱指導が目に浮かぶ、耳に残る。

映写室

四十年ぶりに映写室から映画を覗き見た。35mmの映写機と16mm映写機が並んだ狭い映写室から映画を見たのは、大学時代以来だった。埃っぽく狭い空間、フィルムの匂い、機械油の匂いなどを嗅ぐとゾクゾクワクワクする感覚が蘇ってきた。通っていた大学には…

「裏目読み」

かつて小川徹さんという映画評論家が居た。1963年頃から1991年死の直前まで雑誌「映画芸術」の編集長を務めた。彼の評論は「裏目読み」というキイワードで語られてきた。「表面的には何の政治的メッセージも読み取れないけれど、映画のそこここに作り手…

胃袋

若い友人(といっても世間的には十分にイイ歳のオッサン)と話をしていて、「好奇心」と「批判力」が衰弱している、という話になった。 目の前に情報が溢れ、選り取りみどり、キイボードを叩けばネットの情報に容易にアクセスできるようになって、逆に選ぶ力…

プロちゅうもん

舟木一夫の映画といえば、日活の一連の青春歌謡映画がすぐに思い浮かぶ。が、こんなのもあった。1967年東京映画『その人は昔』共演内藤洋子。原作・脚色・監督松山善三。撮影岡崎宏三。音楽船村徹。「白馬のルンナ」から「みだれ髪」まで‥‥どんな球が来ても打…

幽霊

映画で私たちが見ているものは、ことごとく「幽霊」なのではないか、そんな思いに駆られる。 ドラマであれドキュメンタリーであれ、撮られた映画は、撮られたその時点から「過去」になっていく。例外は無い。映画を目にする時、画面の中の人物は、もはやそこ…

だから>でも

今日はちょっと毛色の変わった話題にお付き合い願う。 国会周辺・官邸前のデモ報道がやっとマスメディアにも登場し始めた。地方にも波及している。柄でもないので拙はいまだ参加していない。コラムニストの小田嶋隆さんが、面白いことを書いている。日経ビジ…

惜しい

関西の若い映画人がひとり亡くなった。 ここ暫くは十三のシアターセブンで映画部門を担当していた西村悠さん。33歳だった。 深夜の高速道路で居眠り運転のトラックに追突されて命を落とした。ニュースにもなったのでご記憶の方もおありかと思う。拙管理人は…

風情

大切な映画の友人・先達から幾つか新しい映画の企画について聞いた。 東京の監督は、「中川幸夫」をやるということだ。知る人ぞ知る生け花作家である。香川県丸亀市出身。去る2012年3月30日93歳で亡くなった。 余り詳しくは知らなかったので、シナ…

かぶりつき

神代辰巳さんの第一作『かぶりつき人生』 思えば「かぶりつき」という言葉もダブルミーニングなんだよな。

落差

前半1:11は1980年代のへなちょこ変化球。役者も演出も問題外の外。無視。 後半は1970年代の剛直球。是非是非後半のみ(1:12〜以降)ご賞味あれかし。 そして、その落差にめまいせよ。 http://http://www.youtube.com/watch?v=a7CRFpn5Jck た…

若い二人

北原謙二という唄い手をご記憶の方は多いだろう。 『若い二人』『北風』『わすれないさ』『ふるさとのはなしをしよう』『若い明日』などのヒット曲がある。映画にも何本も出ているが、正直こちらの記憶はない。 先日、縁あって訪ねたお寺に北原さんのお墓が…

さぁもういっぺん

ずっと昔から豊田勇造という唄い手が好きだった。 大学時代のことだ。「ある朝高野の交差点近くを兎が飛んだ」とか「大文字」とか「私の上に降る雪は」などを毎日毎日聞いて過ごした。その中に「さぁもういっぺん」もあった。 半世紀近く経って、YouTube で出…

業俳

早坂暁さんの『君は歩いて行くらん 中川幸夫狂伝』【求龍堂 2010年8月刊】に 「業俳」という言葉が出てくる。 ―業俳。プロの俳人、俳句で生活する俳人、とあった。 読みは「ぎょうはい」。本業が別にあって趣味として愉しむ人のことは遊俳といい、俳諧師とは呼…

「学校」としての短編映像

『日本短編映像史―文化映画・教育映画・産業映画―』を読み終えた。岩波映画の故吉野馨冶さんの振る舞いを通じて、著者吉原順平さんが一番書きたかったのだろうなと思わせる箇所にぶち当たった。大いなる誤解・錯覚かもしれないが、挙げておきたい。拙管理人…

スタッフタイトル

『日本短編映像史―文化映画・教育映画・産業映画―』を読み続けている。 吉野馨冶さんのこんな言葉が目に付いた。吉野さんは、1950年岩波映製作所創業メンバーの一人だ。 「映画はひとりで作れるものではありません。企業やそこで働くスタッフの共同作業に…

足尾74夏

四十年来の友人山口豊寧さんが、大昔に作った8mm映画を去年リニューアルしてDVDを作った。『足尾74夏』。観た。面白かった。推薦点は二つ。 「画があること」「映画を見ながら、多様な対話性が開かれていること」 折角映画なのだから「画」が見たいと思う。…

日かげ

『日本短編映像史―文化映画・教育映画・産業映画―』続き。 著者の吉原さんは、 「(短編映画)検討の出発点として、商業的な映画館で独立した興行の主役となれる『長編』に必要とされる長さに及ばないものとしてみた。長さからの定義にみえるが、むしろ作られ…

トンネルは‥

『日本短編映像史―文化映画・教育映画・産業映画―』を読み始めている。【岩波書店2011年11月29日刊】500頁を超える大冊だ。著者は吉原順平さん。拙は直接の面識は無いが、岩波映画製作所でPR映画、展示映像などの企画・脚本を沢山手がけてきた業界の先…

見るとは‥

清岡卓行さんが好きだった。 出会いは高校の図書館で見つけた評論集『詩と映画/廃墟で拾った鏡』だった。 それからは、新刊書が出るたびに買って読んだ。詩から小説にフィールドが移ってからも変わらず、死ぬまで続けた。 素敵なフレーズはたくさんあるが、…

惜福

拙管理人は両方出来ないのだが、将棋と麻雀に強い友人から少し前に「惜福」という言葉を教わった。 文字どおり福を惜しむ。自分に訪れた幸福のすべてを享受してしまわず、後に残しておくという意味だそうだ。勝負事には、風がつきものだ。乗っている時には欲…

映画を届ける

今日も若い友人に教えてもらった話題。彼らは、映画の出張上映で飯を食っている「映写のプロフェッショナル」だ。映画館に所属する映写技師ではなく、国際映画祭に依頼されての映画上映から、小学校・公民館での映画会まで呼ばれれば機材持参でどこへでも出か…

シネミンガ

今日は、若い友人がやっている活動“シネミンガ”を紹介したい。 8年前にNYにわたり、2008年非営利法人シネミンガを共同設立した。 当人たちの表現をそのまま借りて設立趣意を記す。 「シネミンガは、先住民族にビデオ機材と撮影や編集のスキルを提供、恊…

欲耳

昨日に続いて山下洋輔さん。彼のエッセーで「欲耳」という言葉を知った。 欲目・贔屓目は知っていたが、欲耳は初耳だった。古今亭志ん生の言葉だそうだ。 「人の落語を聞いて、自分より下手と思えばそれは同じ位、同じ位と思えば相手の方が上手い。上手いと思う…

弁える

山下洋輔さんの日経新聞連載「私の履歴書」が単行本になったので読んでみた。【「即興ラプソディ」2012年2月26日日本経済新聞出版社刊】ネットでは、昔のハチャメチャ狼藉パワーが衰え丸くなったという批判も散見する。拙はとても面白く読んだ。 嗜みも…

森を見る?!

林雄二郎は、高名な未来学者だそうだ。今から五十年以上も前1969年に情報化社会を予見した『情報化社会』(講談社現代新書)を書いたという。(情報化社会という言葉は、林さんが最初に使い始めたということらしい。)不幸にしてその方面に疎く不勉強な拙管…