2ペンスの希望

映画言論活動中です

だから>でも

今日はちょっと毛色の変わった話題にお付き合い願う。
国会周辺・官邸前のデモ報道がやっとマスメディアにも登場し始めた。地方にも波及している。柄でもないので拙はいまだ参加していない。コラムニストの小田嶋隆さんが、面白いことを書いている。日経ビジネスオンラインというメルマガ連載の『ア・ピース・オブ・警句』7月20日号 「官邸前のデモは「無難」。だから効く」
いささか長いが是非ご一読を‥。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20120719/234639/?mlp 
「包囲せず」「破壊せず」「投石せず」、あくまでも整然と歩いて「居座らず」「座り込まず」「居残らず」‥。〈だから〉効く。「〈デモ(でも)〉ではなくて〈だから〉」というジョーク・言葉遊びのオマケ付。(真面目な人には怒られそうだが、この類いのお遊び拙も嫌いではない)
‥と、ここまではあくまでも前座(まくら)。

映画も同じなのかもしれない。「包囲する」「破壊する」「投石する」ものだけが映画であり、「居座る」「座り込む」「居残る」ことが映画の条件だと考えてしまう教条に堕ちていないだろうか。もっと軽やかに、弾力的に、映画を生きることだってありなのかもしれない。少なくとも、昔見たものだけを「映画」だとする呪縛からは自由でありたい。そう思った。ただし、〈だから〉デモが力を持つのは、「万を越える人間が動き、ひとつの場所に集まった」というアクションあってのことなのだ。これを忘れては台無しだろう。