2ペンスの希望

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2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

背反有理 2016冬

背反有理 2016冬 最近の拾得物。 ■ 嘘はあまりつきません、 本当のことも言いません。 ← 近頃人気らしい「血液型の歌」の歌詞 ■ 人は悪いが、人間はいい ← どこかの映画で耳にしたセリフ?すっかり失念 「誰にでも優しいってことは、誰にも優しくないってこ…

幻史 冒頭挨拶文

古本屋さんで『幻史 まぼろし』【幻堂出版2004.12 刊】を買った。表紙の謳い文句に「過激なアマチャのロートル・ローカル・サブカル年代記」(原文ママ)とあった。兵庫明石で長らくマンガ出版や映画活動を続けてきた集団だ。冒頭に漫画家川崎ゆきおの挨拶文…

映画の国

精神科医でご自身も高座に上がられる落語好き:藤山直樹さんの本『落語の国の精神分析』を読んだ。巻末の談志論「立川談志という水仙」にこんな一節があった。 「落語は職人芸だった。落語は本来そういうものだった。けっして、芸術家の個性の差異をきわどい…

プロは‥

プロは、やっかいである。 はしょる はかる たばかる だます つくろう とりつくろう ボロを隠す 計算高い 手を抜く 適当にする いい加減にすます なまける 楽をめざす ズルする サボる 誤魔化す ひかえる おさえる おびえる ‥‥キリがない。 けど、 しっかり…

テレビと真逆

最近でこそ、自作の制作意図や狙いについてペラペラ語る口の達者な映画監督さんが増えたが、昔は違った。概して口は重かった。「日本の映画は作り手たちがベラベラしゃべり出してからダメになった」苦々しくそう語った斯界の先輩の言葉が耳に残る。確かにそ…

撮影所の力

機会があって、この一週間 撮影所が健在だった頃の日本映画を立て続けに観た。 恥ずかしながらいずれも初見。 一本目は、1949小津安二郎『晩春』(松竹)。一緒に観た年若い友人の話では「世界の映画人がこぞってリスペクトする小津の中でもとりわけ人気の高い…

昔の人は‥「そぞろ書きⅩⅢ」より

大学時代のサークルの新年会に出席してきた。その席で、米寿の大先輩から、新刊「そぞろ書きⅩⅢ」を頂戴した。筋金入りの映画好き、抑制の利いた文章・文体で、昔々の映画や演劇の話題、若き日の暮らしを綴った書物だ。 芳醇(豊潤)な味わいを毎回ちびちび舐…

みゆき⇒美嘉

お嘆きの貴兄同様、最近の楽曲には感心しない。曲が悪いのか、こちらの感性が磨滅したのか、どちらとも云えないが、心響く歌唱にはめったにお目にかからない。そんな中、最近出会った一曲。「命の別名」作詞作曲は中島みゆき 唄うのは中島美嘉 知り合いから…

1958 Mood Indigo

ディーバをもう一人。 肚に響く。 飽きず通った京都北白川のジャズ喫茶はとうの昔に店じまいした。

1969 Comme à la radio

今日も唄。 2003年森田芳光『阿修羅のごとく』劇中歌にも使われた。どなたの趣味だったのか?どんな経緯だったのか?昔々毎日のように聴いていた日々が浮かんで‥胸が躍る。

1964 Nantes

寒いので、久しぶりに唄でも聴いてみる。バルバラの「ナントに雨が降る」 胸に沁みる。

読解?体感?

映画の受容(需要?)は、スタイルもレベルも幅広くさまざま。 頭を使った読解から、体丸ごとを使った体感・感受までどうぞご勝手ご随意に‥‥シフトは自在だ。(いっとくけど、最新 体感シアター4Dの話ではない。もっと原始的 映画の原理・原則の話) 頭や口は…

保守化傾向

物語(ストーリー)や主題、題材、そこに何が写ってるかが分かれば、映画を理解したことになる、そう思っている人はいまだに多い。別に否定はしないが、それではいかにももったいない。映画を味わい尽くすには程遠い所業、管理人はそう思っている。 映画理解…

習い性

人は生まれた時代と社会、育った環境と条件の中で生きていくしかない。 五十年近く映画にかかわって過ごし色んな仕事をやってきたが、業界に入って最初にどっぷりひたった世界の習い性が、良くも悪くも身に付いて今に至る。二十代三十代で身に付けたフットワ…

破れかぶれの離れ業

昨日の相米本(『甦る相米慎二』)に、こんなくだりがある。 「(相米組は)撮影所の技術スタッフでもそれまでの主流ではない方、持っていた才能を100パーセント生かしておられたわけではないような方を積極的に起用して、そのポテンシャルを全開させる、…

奇跡の記録

相米慎二が好きだという若い映画人は多い。 勧められて『甦る相米慎二』【木村建哉・中村秀之・藤井仁子編 2011年9月インスクリプト 刊】を読んだ。 ←学者先生の小難しくこねくり回した論考に付き合うつもりは一切ないが、冒頭に置かれた濱口竜介さんの一文…

建てつけ

「映画は、おさまりの良いものより、少々建てつけの悪い位の方が面白い。」 ラジオで或る監督さんがそう話しているのを聞いた。世界の中心で愛をさけんで人気を博した監督さんだ。「監督は納得が行くまで何度も撮り直し・テイクを重ねることで有名ですが‥?…

漫画『かくかくしかじか』

東村アキコさんの漫画『かくかくしかじか』全5巻【2012年7月〜2015年3月 集英社】を読んだ。 年始一番の◎ 宮崎県の女子高生がスパルタ講師の特訓で成長していく自伝・女性漫画家版『まんが道』というしつらえだが、もちろん藤子不二雄さんのものとは、趣きも…